おなかいっぱいになって、会計になったら、ユッキ、車のかぎ渡されてね。
僕らは先に外に出た。『また払ってもらうの悪いなあ〜。』って僕が言うと、
『その分、愛でかえせばいい!』とか、ユッキ、酔っ払いすぎや。

支払い終えた二人が戻ってきて、僕らは家まで送ってもらった。
『比呂ちゃん、もう帰っちゃうの?』って聞いたら、『那央のとこに寄って、夜中に帰る。』って言った。

ああ、だから。

だからユッキ、あんなにご機嫌だったんだ。
いっつもガマンしてんだもんね。
幸せすぎだから、いつもじゃあんなに酔わないのに、デロデロになっちゃったんだねえ。

車をアパートの前にとめて、比呂ちゃんまで降りるから何かと思ったら、
スーパーで当てたビールくれた。『麦、飲むだろ。』って。

麦ちゃんが、『いいよ!お前が当てたんだから。』って断ったんだけど、
『うちはチョコもらったから。那央が。』ってわらう。ティッシュは病室においてきてたし、
比呂ちゃんの何もなくなっちゃうじゃん!

助手席の窓開けて、ユッキがへららーと笑った。

『じゃあ。ありがとう。』『ん。・・ここで渡してもちょっと重いけど、ごめんな。』
『いいよ。じゃあ、またな。気をつけて帰れよ。』『おう。めーちゃんまたね。』『ありがと!』

見送る僕らに、ユッキがいつまでも助手席の窓から顔出して手を振っていた。


家に入って、ビールを置く。
『あー、かわいかったな〜。』麦ちゃんがお風呂の栓ぬいて、僕に話しかけた。
そういえば、昨日、お風呂の洗剤終わったんだって思って、買い置き取りに行きながら、
『うん!次はだっこさせてもらおー。』って僕が返事したら、麦ちゃんは
『俺もだっこさせてもらおー。』って言って、窓をガラガラと開けた。

あー。涼しくて気持ちいい。
二人でベランダを見ながら並んで座る。

小沢くんがお父さんになって、新しい世代の人生が始まった。
不思議な気分だなあ・・。僕らの子供が生まれたわけじゃないのに、
なんとなく・・ああもっと、僕もちゃんのしなきゃって感じた。

怖くて抱っこはできなかったけど、指やほっぺを触らせてもらったら、
やわらかくって、吸い込まれそうなくらいだった。
あのこは、これから、どんどん吸収していくんだなあ〜。
僕みたいに、たくさんの愛情に守られて生きてね!!!!

二人で狭い狭いいいながら、お風呂洗って、お湯ためて、
麦ちゃんに先に入ってもらってる間に、僕は写真をプリントアウトした。

こんなに笑顔ばっかの写真撮れることってないよねー。
見てるだけで、また幸せな気持ちになった。

小沢くんちと、比呂ちゃんと、ユッキ用にプリントアウトして、
僕らにはとりあえず、みんなで撮ったのを一枚だけ印刷した。

麦ちゃんが出たら、みせてあげるんだ。きっと、顔がデレーっとするよ!
**********
潤ちゃん夫妻おめでとうございます!
BACK