そういうのに弱いのは俺も一緒。

寂しいのだって俺も同じ。

寂しくない人間なんてなかなか世の中いないだろ。
人生の最後は必ず死って決まってんだから。

余命宣告されてなくたって俺らの命は期限付きなんだよ。
そして今も、確実に終わりに近づいてる。

今、こんなにお前が大事だよ。

普通の人生を送れるように願ってくれんなら、ずっと俺のそばにいてくれ。
せっかく出会えた大事な人間と、話し合いの末に距離を置くとか、
そっちの方がよっぽど歪んでるし、つらいし、絶望だよ。

やってる間、ずっと沼田は泣いてた。
両腕を顔の前でクロスする感じで、最終的には枕で顔を隠してたよ。
なんの用意もなかったから、いれんのは無しで、だけど裸の沼田を抱きしめてたら、
やっとホッとできた俺がいた。

朝、起きて、腰痛えって言ったら沼田が湿布貼ってくれて、

「おやじ!!(怒)死ね!!(怒)」
とか言うから、抱きしめたらやっと抱きしめ返してくれたよ。


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幸村くんが、一人でコーヒー飲みに来た。仕事の邪魔にならないように気を使ったんだろう。
俺も丁度手が空いたから、コーヒー休憩。
ゆうべの事、ヤったという事実だけは秋山から聞いたらしい。

・・・あのやろ(殺意)





セットのケーキ食べながら、幸村君が勝手に話し出す。自分らの今までのことを。
話したあとに、俺をみて、「俺は秋山さんで、沼田さんは比呂だから。」って言うんだ。

秋山と幸村君はね、ぎゃあぎゃあ喚くけど絶対いなくならない人間で、
俺や紺野は強いし静かだけど、いきなりいなくなってしまいそうな人間なんだって。

「実際の比呂は思ってたよりも頑丈な人で、死ぬまで俺を守ってくれるって確信したから、
前より不安にはならないですけど、沼田さんは、いつでも旅立つ準備をしてる感じで、
実際それを行動にうつす勇気や経験をもってる。
秋山さんは、そういうの全部ひっくるめて愛してると思いますが、
どんな人間にとってもその状況はつらいです。

俺も昔は、安定が怖くて、わざと波風たてて安心してました。
でも今は、安定を維持することの喜びや苦労で、毎日幸せに満たされてます。
わざわざ自分を苦しめなくたって、ちゃんと明日につないでいけますよ。
だから、もし沼田さんが、それでも悩んでいるようだったら、相談にのりますよ。」

からの、

ドヤ顔。



俺は大丈夫だよ。


旅にはもう飽きた。

愛とか恋の世界なんて捨てたはずだったけど、
ゆうべ秋山にああされて、ただただ嬉しかったんだよ。

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土産のケーキまでもらって、那央帰還。

「俺が秋山さんで、比呂が沼田さんだよって言ってきた。」

「なんだそれ。」
「わかんない。」
「「(o´^`o)」」

沼田さんの店の方覗いたら、沼田さんがこっちみて手を振ってくれて、
ごめんねゼスチャーでこたえたら、笑ってくれてほっとした。
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2014.12.6にツイッタの鍵アカでやってた突発秋沼話です。