比呂から今朝連絡をもらって、事情はざっくり聞いた。 
沼田が苦しんでる事は、なんとなくは想像がついていた。
でもまたいつものように、特になにもせずにやり過ごしてくれるんだろうと思っていて

比呂には「馬鹿か(# ゚Д゚)」と怒られた。
「ほったらかしてただけだろ(# ゚Д゚)」と怒鳴られた。

比呂の様子で事態の深刻さがわかって、ますます帰るのが辛くなる。
電話をきり、降る雨を見てボケてたら、幸村がドンっとぶつかってきた。
「そろそろ学校行くからクロール送るねwあ、比呂から連絡きたぁ?
今夜、秋山さんと二人でおいで!だって!」
めちゃめちゃ嬉しそうな幸村。
「俺、18時以降なら大丈夫だから、帰れる時間わかったらLINEしてね。」

あの様子を見るかぎり、幸村は何も聞かされていない。 浮かれる幸村。
お前、ほんとに幸せそうだな

お互いの仕事が終わってから、二人で横浜の店に向かう。

横浜に予定より早めに着いたら、比呂がTシャツで仕事してて、
そしたら右腕に包帯巻いてて、紫色になってるじゃん。
幸村がびっくりして泣くし、仕事場には比呂しかいないし、
呆然としてると幸村宥めながら比呂が二階を指差す。
「ユウは帰った。あの二人は明日から三連休で静岡戻った。」

あの二人っていうのは、静岡店から研修にきてるやつらのこと。
研修って言ってはいるが、結局静岡店でうまくいかなくて
横浜に飛ばされた奴ら。気持ちのいい子たちではあるけど、
二人で一人前みたいなとこがあったりする。

「沼田さん、秋山さんの部屋で寝てる。
俺はまだ仕事残ってるから、ふたりでごゆっくり〜☆」
「や、それよりお前、その腕・・」
「いきさつは沼田さんに聞いて。はよ行け」

容赦がないのはいつものことだけど・・・・まじかよイキナリ二人きりとか・・

俺は恐る恐る二階に上がった。