俺ね。比呂と出会えてからね。毎日毎日、比呂が好きでね。

長いこと片想いしてたんだよね。『恋焦がれる』って感じでね。
寝ても覚めても比呂が好きで。悲しいくらいに一方通行で。


だけど、今。
比呂の体にもたれかかって、比呂の鼓動を聞いて安らぐ。
『好き』っていうと『俺も』って、比呂が返事をしてくれる。
この風景を。この場面を。何度も何度も繰り返したい。
比呂も俺も温かい体。呼吸とぬくもりと欲情と現実。

取り巻く環境まるごと共有して、突き出した困難を、飛び越えたい。
手を繋いで、比呂は前を見据える。俺はそんな比呂をみつめて。

付き合ってからずっとずっと、そうしてこれたように、これからも。
比呂に守ってもらいたい。だってこんなに好き。大好き。

比呂が好きな食べ物、好きな曲、口癖。全部知ってるよ。
比呂が今欲しいもの、今興味があること。それだって全部、言い当てられるよ。

今もそうなんだ。変わらないんだ。
俺は比呂に、恋焦がれる。