あの時のことを思い返す。確かにちょっと普通じゃなかった。
あの時にはわからなかったんだけどね。でもいじめられなくなり、日常が戻ると、
あんなに都合よく先生たちが通りかかったことだとか、理由をつけては先輩たちが
わざわざ一年の教室までやってきた事のおかしさに気づいたんだ。

今は担任の先生はかわって、数学担当も幸村先生じゃなくなった。
結局あの日休んだことについて、何かを聞かれたことはなかった
あ・・永田先生には休み明けに、『体調よくなったか~?』くらいは言われたかも。

でも幸村先生には、核心に迫るようなことは特にきかれなかったなあ・・。

あんなにあちこちでばったり会って、いろんな話をしたっていうのに。

先週、久しぶりに幸村先生にばったり会ったけど、その時は挨拶だけだった。



あの時学校を休めた事は、僕には大きな転機だったし、
わけのわからない欠席理由から何かをくみ取ってくれた幸村先生と、
永田先生のおかげで今も学校に通えてるんだと思う。
もちろん部活の先輩や、支えてくれた友達のおかげでもあるんだけど、
先生たちが動いてくれたことは僕の心をまっすぐなまま
ねじ曲がらないようにしてくれた。

僕は大人を信じることができるし、
何かあったら駆け込める場所があることに
とても安心をすることができる。

何年たっても忘れないと思う。
卒業までしっかり頑張ったら、最後に先生たちにお礼を言いたい。