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2006/10/06 (Fri) 08:29

ソラはすごく曇ってたけど、なんか大丈夫な気がして
そのまま自転車をこぎだしたら、学校まであと半分のとこで雨が降ってきた。

丁度その時、ヘッドフォンからエルレの『The Autumn Song』が流れてきて
雨冷たいし、みんな傘さしてて、俺だけずぶ濡れで、なんか全部やになっちゃって
しばらくぼんやりしていたら、ばかばかしくなって泣けてきた

だって夏が終わったじゃん。ってことは、きっと今は秋で、秋が終われば冬が来るだろ?
音羽君が生きてたあの頃から、俺はどんどん離れてくよ

あの人がいないのに 成長を続けてる俺って・・生きていられる俺って何?

他人の話がおもしろいとか 食った飯がうまかったとか
なんでそんな風に思えるんだ。しかも毎日。毎日そういうこと思ってる。
音羽君は死んだんだぞ。勝手に立ち直ってるんじゃねえよ

音羽君はもう何も食べられない あんなに好きだったブランキーは解散した
音羽君に関わった物が ひとつずつ変化を遂げていって
俺にいたっては あと数センチで 音羽君の背に追いついてしまう

俺はずっと音羽君の子供で ずっとずっと最後までずっと
追い越したくない 追い越したくない。もうやだ 一体いつまで続くんだ

『The Autumn Song』は、大好きな歌だから、今この曲聴きながら死ねれば嬉しい
音羽君が死んだあの時 俺の頭がもう少し働いてたら
音羽君の耳元で ブランキーの『冬のセーター』でもうたってあげられたのに

生まれるタイミングを選べないのなら、せめて最後は意志を尊重してくれ
積み上げたものを全て失うかわりの・・何か・・かわりになるものを・・
 
音羽君の体に 雪が降り続けたように
今ならきっと 俺の体には 冷たい雨が降り続ける
俺、なんでここにいるんだっけ ああそうか 学校か

ぼんやりにじんだ世界の真ん中で 誰から自転車乗り捨てて 
俺の方に走ってきた なんか言ってる でも聞こえない
やつもずぶ濡れだ 緑色の髪・・・ああ、麦か。

腕をつかまれて なんか言われた 


それからどうなったかは覚えていない