2008/9/8 (Mon.) 17:22:22

休み時間、運動場に向かおうとしてる比呂たちを見かけた。
そしたらなんか、反射的に比呂を呼び止めてしまった。

坂口とか麦とかもいたんだけど、俺には比呂しか目にはいんない。
無言で振り向いてくれた比呂。そのまま俺のとこにきてくれた。

『・・・・・。』
『・・比呂ごめんね。』
『・・・・・。』
『・・・・怒ってる?』
『・・・・・。』
『俺と話すの嫌?』
『・・・・・。』

比呂は何にも言わないで俺を見る。
寝不足なのかな・・目元がすこしむくんでるかんじ。
俺は黙った。

・・そしたら比呂が、まわりをきょろきょろ見渡して
俺の口にちゅってしたんだ。

びっくりした。麦たちはとっくにさきにいったけど
でも・・こんな・・物陰でもないとこで・・比呂がちゅーすることなんかなかったから。

俺が感動でますます無言になってたら、比呂が咳払いを2〜3回して

『・・・声が・・でなくって・・・。』

ってヒドイガラガラ声で苦しそうに俺に言うんだ。

『え・・?風邪?』
『・・・。』無言で首をふる比呂
『・・・声変わり?』
『・・・・』また首をふる
『・・・・じゃあ・・どうして?』
『・・・・・』

比呂は俺が持ってた筆記用具から
青色のペンを取り出して、俺の手に文字を書く。



<カラオケ。



俺は思わず噴出す。

『カラオケいったの?』
『・・・・。』こくんと頷く比呂。
『誰と?』
『・・・・。』麦たちがいったほうを指す。
『麦と坂口?』
『・・・・。』こくんと頷く比呂。

お互いみつめあったあと、ふふっと微笑みあった。カラオケか〜・・。

比呂が俺のほっぺにもいっかい
みじかくちゅっとして、ばいばいって手をふる。
そんで運動場の方に向かって走っていってしまった。

後姿を目で追った俺は、あんな声になるまで比呂が
大声出してうたった理由が、自分にあることをしみじみと感じた。

それなのに比呂は俺を責めない。嫌味の一つも言いやしない。

でもー・・

でも比呂俺に、ちゅーしたね。
くちとーほっぺ。そしてそのあと俺にばいばいして

両手で顔を覆いながら、ハズカシそうに走ってく比呂に

愛してるよー!!って全力でおもったよ。
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