比呂ちゃん。

・・・ACIDMANの・・『and world』って知ってる?
俺、比呂の影響受けて、一番最初にはまったのが、ACIDMANでさ。

今日、比呂の部屋でエッチして、そのままベッドで寝てる時にさ・・
かけっぱなしのステレオから、それが流れてきた時さ

すっごい感動をしてしまってさ。寝てる比呂の顔見ながら涙がでたよ。

長い曲でさ・・静かな曲なんだけど・・・俺、最近は
比呂が聴く曲を片っ端から吸収作業中で、この曲は全然聴いてなかったの。

比呂の音楽話についていきたくて、勉強みたいなノリで聴いて
バンド名のスペルとか覚えて、麦と比呂が音楽話で盛り上がってる時に
ちょっと口突っ込んでさ・・、輪に入れる喜びかみしめてね。

だけどさ。比呂はさ・・俺と2人きりの時は、あまり音楽の話、しねえのね。
するとしても、話の流れ上、必要な場合の時だけって感じで。
音楽話をひけらかさねえの。ほんとにね、なんでかね。
でも、2人きりの部屋に音楽を流す時は、ちゃんと俺が心からスキな
バンドを何気に選んでくれるんだ。・・・俺には何もきかないでね。

今日はACIDMANだった。聴きながら抱き合った。感慨深かった。
色々なことを思い出しながら、比呂の体にしがみついていた。

ベッドがぎしぎし音をたてて、つながった部分から湿った音がして
重ねた口からは、互いの舌を追って吸いあう音と、熱いため息の音がして
自分の頭の中は、ドクンドクンと鼓動がやたらと大きく聞こえて

愛の音。すごく聞こえた。今日はいつもの百倍聞こえた。
吐精に対する執着よりも、今日の俺はそんな感じの
現実世界の中で俺たちが2人で奏でる音が大切だった。

なんかさ・・比呂がさ・・・やたら優しいのね。いつもだけど・・なんか今日は、
昨日ゆっくり会えなかったから、なおさら優しさが身に染みたんだ。

早く抱いてほしくって、比呂の部屋に入ってすぐに抱きついたら
『那央、制服。脱ぎな。』っていうの。で、カーテン閉めて、脱がしてくれるのね。
キスしながら制服脱がしたら、丁寧にベッドの脇にたたんでおいてくれて
自分のはあいつ・・脱いだらあっちこっちに投げ捨てて放っておくの。

そういうのを、横目で見ながら、俺は比呂に抱かれんのね。
机のトコに・・俺の写真が貼ってあるー・・とか思いながら
俺は比呂に胸とか揉まれて喘ぎまくってんの。やっばいだろ。幸せすぎだろ。
俺、世の中の魚介類が全て消えても、この幸せで生きていけるよ。

今日は、静岡は風が冷たくて、家に着いてすぐにヤりはじめたら
比呂の手が冷たくて、比呂が途中で行為を中断して
『あっためて。』って俺に両手を差し出すの。
だから俺、手のひらをペロッと舐めた後、自分の頬であたためてあげたんだよ。
そしたら比呂が、うっとりと目を閉じて『・・・体温ー・・。』って言って笑った。

そのまま比呂の顔が近づいて、ちゅ。そして、俺の指に自分の指を絡める比呂。
優しいキス。いつも比呂は俺の事を、すっごい時間をかけて抱く。
顎にキスされて、すごく気持ちよくて、耳たぶや唇を甘噛みされて、熱っぽい息を吐く。
見つめると、まぶたにキスされる。

ゆったりとしたくちづけに意識がぼんやりとして・・目がうつろな感じになると
今度は俺の右耳の裏のすぐ下あたりを強く吸うんだ。
・・・内緒のキスマークね。たまにつけてくれるんだー・・。そっとね。

やがて深く深く突き動かされる。足を開かれたり、背中から抱きしめられたり
片手で両手をつかまれた状態で、もう片方の手で俺の腰を少し持ち上げながら
ゆっくり深く入っていく感じ・・・じわじわとあたたかくなっていく感じ。

・・うん・・・。すっごい気持ちよくて、めちゃくちゃ満ちた、俺の中のいろいろなものが。

で・・・・『and world』ね・・・。

俺は比呂の寝顔にときめいて、頬にキスをしようと思って
俺側の頬には寝たまま出来たんだけど、向こう側の頬にキスするために
少しだけ上体を起こして、ちゅっとしたんだけどね・・・
比呂の向こう側に広がる景色にさ、・・タウンページが見えたんだ。

昨夜、あれを見ながら・・・比呂は俺と擬似デートをしてくれた。
あのときの電話、比呂はやっぱりすごくすごく優しかった。
っていうか、俺だったらそんなの思いつかない。
前に来た時はこの部屋にタウンページなんか置いてなかった。

この部屋に、いつもと違うものがおいてあって、俺はそれに関わっている。
それってすげえって思ったの。

涙でて、すっげえ噛み締めて、比呂の寝顔はかわいくって
そしたらあの曲もエンディングで、俺はその歌詞を聴きながら、
何度も頷いて、ひたすら泣いて・・・・

寝てる比呂が、うっすら目をあけると、俺を見て
そんでギュッと片手で俺を、自分の方に引き寄せると
頭を撫でて後ろ髪を、指で梳いて、そんで強く抱きしめてくれたんだ。


俺の人生に関わる比呂。比呂の人生に関わる俺。
・・俺ね・・・。テスト前に勉強をしなかったのって、初めてだ。


比呂は起きてからさ・・・・『勉強やろう。』って言ってくれたんだけど
でも俺、いいって断ったの。そんな時間があったらキスをしていたかった。
ピザとってDVDみながら、俺は比呂に背後から抱きしめられる形で
座って、コーラを飲んだ。ピザを食って、合間合間に、首を後ろに伸ばして
比呂にキスをせがむ。
そうすると比呂が、ちゅっとしてくれて、ギュット俺を抱きしめてくれるんだ。


満たされた。満ち溢れるほどだ。

今日はもう寝る。今日と言う日に思い残すことは何もないよ。

おやすみ


2007/12/07(金) 00:05:10
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