たからもの
January 19 [Sat], 2008, 22:19


朝起きたら 声が出なくってー・・メールでバイト休むって連絡してー・・・
おじちゃんちは親子三人で山梨に帰省してるしーゆっくりしよーとおもって・・・

起きてすぐだったけどせっかく一階に降りてきてたから
歯だけ磨いて、部屋に戻ろうかなーと
階段を一段のぼったらー・・玄関の呼び鈴が、連打で鳴って

あったまいたいし、むかっときて、『うるさいっ』って玄関を開けたら
すっごい寝癖頭のままの那央が半泣きで息切らし立っていた。

ハルカさんが俺の休んだ穴を那央で埋めようとしたらしく
連絡がいってしまったらしい何も言わずに家に入ってきたから
抱きしめながら玄関を閉めた

『看病する。』ってさ。どうもありがとうございます。

那央に手を引っ張られながら、階段をあがる。細い背中だなー那央は。
見とれていたら睨まれる。『そんな目で見ないの!今日はエッチはやんないよ!』だって。
俺、そんな曲がった目でみてねえよ!
『真っ赤になって!比呂のえっち。』・・・・だからこれはー・・風邪で熱があるんだって。

部屋に行って、ベッドに寝転んだら、一気に咳が出てくる。
あー・・那央にうつしたらまずいわ。おもったけど、気づかないふりをした。
かえんないでほしい。そばにいてほしい。俺はきっと寝ちゃうけど、那央にいてほしい。

引き出しから体温計を出してくる那央。
付き合って一年もたつと、俺の部屋のどこに何があるか全部知ってるよね。
39度2分。那央が目を丸くしてる。『病院行く? 』っていわれたから、『いい。』っていった。

熱がでたくらいで、那央が心配してくれる。急いでなおすの、もったいないや。
だけど俺、なんか、すごく疲れてた。気がついたら、ぐっすり眠ってしまってて、目が覚めたら夕方になってた。

夕焼け色の部屋。那央は寝てた。
自分の服を全部脱いで、その代わりに俺の服でファッションショーでもしていたみたいだ。
部屋の床には、俺の服が散乱していて、寝ている那央は、俺の部活ジャージの上下を着て、マフラーをしていた。

俺の部屋の片隅にある那央の餌置き場は、すっかり空っぽになっていて
ベッドの枕もとに、避妊用のあれが3つおいてあった。

なーんだこれ・・おまじないかなんかかー。寝ている那央に、心でそう聞いた。
そのうちの1っこを手にとりじっとみる。あー・・なんか。無性にヤりたくなった。

寝ぼけた那央を抱えてベッドに戻る。
ちゅうしたら、すごいいきおいで俺に抱きつく那央。
真っ赤になりながら、それでも必死に、寝ぼけたふりを続ける那央が
すごくかわいかった。俺に触られるたびに、ビクンと震える体とか。


俺、那央の体に自分つっこんで、もう一度顔を見たら目があって
涙目の那央が、はあはあいいながら、一番かわいい顔をして笑う。


ああ・・この子は、おれのたからものだー。



そんな風に思った。



ほんとにね。
NEXT