2008/3/27 (Thurs.) 22:48:53

久々に比呂が部活に来た。

『大丈夫かー?』と声かけて肩くんだら、『まあね〜』と気の抜けた返事。
そんで、『二人三脚得意?』とかいきなり意味不明なことを言い出すから
そのまましばらく2人で二人三脚ごっこをして遊んだ。

横目で比呂の体を見る。あっちこっちが傷だらけだ。一目で少し痩せたことが判る。
どーせ幸村がずっとそばにいて、こいつ痛いのガマンして相手してたんだろう。

『ほんとに痛くないのか?俺の前で無理すんなよ。』
『俺は誰の前でも無理はしてねえよ。』

ちょっとは特別扱いしてくれっての。

『今日はユッキーと約束でもあんのか?』
『ない。俺、今日からバイトいくし、幸村は塾だから。』
『じゃあ、夕飯休憩、いっしょにとろうぜ?』
『何時?』
『お前に合わせる。』
『俺今日・・・多分7時だ。』
『じゃあそれでいい。』
『でも、モロ飯時だぜ?店とかじゃ混むら。』
『じゃあ、なんか買ってどっかで食うか。』

俺が言うと、比呂が考え込む。口角を舌でペロっとする癖。
かわいいなー・・・。キスしてえなー・・。

『じゃあ、こないだできた弁当屋で飯買って俺ら店の倉庫で食おうよ。
ちょうど俺、裏で作業なんだ。湯とかもあるから便利だぜ?』

ああ。クロールの倉庫か。前に何回かいったことがある。

『いいよ。じゃあ、時間に行くわ。』
『一応俺、バイトはいったらすぐメールする。店いくの久々だから、シフト間違ってるかもしんねーし。』
『ははっ。いいよ。じゃ、メールくりっ☆』
『おうよっ☆』

約束取り付けることができた俺は、嬉しくて飛び上がりそうだ。
比呂と一緒に飯を食ってると、ほんとに幸せな気分になる。


あと一年。

比呂と同じ学校にいられるのはあと一年。
受験の時に一目ぼれして、その後二年間ずっと隣のクラスで比呂のことを見てきた。
俺の運をここで使い果たしてもかまわない。残りの寿命をつぎ込んでもいい。

神様、どうか比呂と同じクラスにしてください。

ほんとにたのむ。御願いだから・・最後の一年、確実に一緒にいられる最後の一年を
同じ教室で過ごさせてください。少しでも多く比呂を見ていたい。
あいつが無茶をしないように。意地はってガマンしないように。強がって自分を傷つけないように。

卒業したら・・少しずつ、お互いの生活に押し流されて
きっと会えなくなってしまうから・・少しでも思い出をつくりたい。

残された一年で、約束を少しでも多く取り付けて卒業した後も会えるように・・

そんな俺は、すごく女々しいかもしれないけど大好きなんだ。一方的に。
ただただ比呂が大好きなんだ。もうそれだけで俺の日々は動いていく。


とりあえず。今夜の飯。比呂と食える。

・・・うれしいよ。
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