*** 2008/3/30 (Sun.) 00:02:23

『・・・もしもし・・?浅井・・?』『わーお。麦か。どした?今日も紺野ラブ?』
『・・・・・・・・。』『・・・・またユッキーがなんかしたの?』
『・・・・・ちがう・・・んだ・・。』『・・・泣いてるの・・?比呂になんかあったの?!』
『ちがう・・。そうじゃねえの・・。』『・・・・・』
『・・同じクラスに・・・やっとなれたよ・・』『・・・・・・・え?』
『・・・あいつと・・一緒のクラスになれた。』『うそーー!!!!!!』

******

今日は離任式だった。うちの学校は離任式の日に、新学年のクラスが発表されるんだ・・。
ここ一週間、ずっと眠れなくて、また駄目なのかなーって、悪いほうにばっか考えがいっちゃってさ・・
離任式が終わって、教室に戻って先生から発表があった。

俺は1組。くそ。二年の時に1組だったら・・比呂と同じクラスだったのに・・。
なんか悲しい気分抱えて、廊下に出たら、1組の奴らがドアから出てきて、
そしたら坂口が俺に駆け寄ってきた。

『麦ちゃーん!何組ー?!』屈託なく聞いてくるその声に少し救われた俺は
『1組だよ。お前は?』といいながら、坂口に近づいた。

すると坂口が、飛び上がって驚く。

『うそっ!ほんと!やった!!俺も1組!ちびちゃんも比呂も一緒だよ!』

・・・・・・

『え?・・なに?』
『だから、比呂も小沢ちんも1組!ユッキーは2組になっちゃったけど。』
『・・・・・・。』

俺は現実を飲み込めなくて呆然とする。
そしたら教室の後ろのドアから、比呂がユッキーを慰めながらでてきたんだ。
目が合う。駆け寄って抱きしめたかった。でも、隣のユッキーが泣いている。
自分の心を押しつぶした。

『・・残念だったなー。違っちゃったんだ。』俺が言うと、ユッキーが俺に抱きついてきて、泣き出す。
そんなユッキーの背中を小沢が擦っていて。
俺は、黙ってその様子を見ていた比呂に、せいいっぱい平静をたもったふりで、はなしかけた

『同じだな。三年。』
『ああ・・。お前とは初めてなんだよなー。一緒になるの。』
『ああ。そうだな。』
『うん。』
『わり。・・ちょっと・・。』
『ああ、うん。』

俺は比呂に軽く手を振る。比呂はそれを見て頷き
ユッキーの肩をぽんぽんっと叩いて『ユッキー?大丈夫か?帰ろう。な。』
といって、ユッキーを連れて歩いていってしまった。

・・うん、仕方ない。

このくらいの辛い気持ちには、免疫ができてるのか耐えられる。
俺のそばできゃっきゃいってる坂口と少しだけ話して、俺は機械科の実習棟にむかった。
一歩ごと。歩くたびに、体が震えていくのが判った。
現実が大きすぎて、受け入れられない。とてもじゃないけど。
俺の唯一の相談相手に電話する。浅井だ。

ヤツはすぐに電話にでてくれて、声を聞いたら俺・・涙が止まんなくなって・・
目の前の壁にデコを預けて、嗚咽をあげて泣いてしまった。

******

『・・ほんとだよ・・。1組、同じ。』
『まじで?!ユッキーは?!』
『・・あいつは2組。』
『そうかー・・離れちゃったんだ・・。でもよかったな。お前。』
『・・・・・・。』
『神様は見てたんだよ。どんだけお前が比呂を好きかってさ。』
『・・・・そうかな・・・。』
『ああ。・・・俺はお前だけを応援できないけどさ・・、愛してんでしょ?比呂を。』
『・・うん・・。あいしてるよ。』
『・・一年間・・めいっぱい見つめな。同じ組だと、逆に辛いここと多いかもしれないけど。』
『・・・・うん・・ありがとう。』

浅井は電話の向こうで笑った。『ほんっとによかったね!麦!』



・・うん・・。死ぬほど嬉しいよ。
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