デートが出来ない症候群

今日は急に、塾の授業時間の変更があって
せっかく比呂があけてくれといた午後の数時間が、おじゃんになった。
・・・バイトはさすがに休めないし・・・だから
夕飯休憩のときを狙って、店に行ったら比呂が
倉庫にある温室の商品の手入れをしているところだった。

サニーバーガーで飯かっていったんだけど、
比呂、すごく喜んでくれて、一緒に食った。たまにちゅってして。
『俺のせいでごめんね・・。』っていったら、比呂はふふって笑ってくれた。

『那央きてくれるなんておもわなかったよー。』って
すっごいご機嫌なんだよ、比呂が。
時々肩を回してるから、きっと疲れてるんだろうけど
それでも俺の買ってった飯を、うまそうに食って沢山話してくれる。
俺はフィッシュバーガーを一気食いして、比呂の背後に立ち、肩を揉んだ。

比呂が『お前はほんとに、そういうのうまいね!』っていいながら
ファンタを飲んでる後姿を見てたら、

付き合い始めの頃よりも広くなった背中。
俺はこの背中の後ろに立って、いつも比呂に守られてきたなー・・・。
肩もみほぐした後、とん・・とん・・って肩を叩いてたら
比呂がファンタをテーブルにおいて、
『今日、おっくんの墓参りいったよ。』って教えてくれた。

俺の塾のせいでおじゃんになった時間を使って、比呂は一人で電車に揺られて
音羽さんの墓参りにいったらしい。
おじいちゃんのところにも、酒とかもっていって、少しだけ家に上がって
話をしてきたそうだ。・・・そっか。今日は父の日だった。

比呂はそれ以外何もいわなかったけど、音羽さんのお墓参り、
俺と一緒にいこうと思ってくれてたのかな・・。
今日に限って塾が特別授業で、4時間も授業があってさ
・・だけど、その時間、ちゃんと比呂は自分のしたいことをしてくれて
無駄にしないで過ごしてくれたから・・俺も少しだけ心が軽くなった。

いじけない人だから好き
俺がこないだ俺のお薦めエロ本、読んですっごいヤキモチやいてるんだけど
嫌なイジケ方しないのね。比呂のヤキモチはすごくかわいい。

言っても仕方のないことは絶対言わない比呂の姿勢を
俺はすごく尊敬する。

恋人を心から尊敬できるって・・・幸せなことだなあ・・。


・・なにこれ、おのろけ?

やめやめ!もう11時じゃん。早く勉強やってさっさと寝よう。



2008/06/15(日) 22:57:44
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