今日の俺はなんかいける


朝いち比呂に電話した。どうしても今日会いたかったから。
そしたら、ちゃんと比呂は電話に出た。
すげえガラガラ声で、風邪でもひいたと思いきや
『・・・・俺、寝起きはいつもこんな感じじゃん』だって。
そういえばそうだった。

『・・・・何?』
『今日暇?』
『・・・暇じゃない。』
ブツっ・・つーつー。


よし。リダイアルだ。



比呂はすぐさまに電話に出る。

『・・・・何・・』
『遊びましょうよ。』
『・・・バイトあるから・・・』
『おバイトのあとでもかまわないですよ。』

昨夜、部活の連絡網がまわってきて、練習試合がドタキャンになったから、
その時間がぽっかり空いてるのは知ってた。朝いち電話したのはそのためだ。

よその女にその時間を渡してなるものか!

『・・じゃあ・・1時すぎなら・・。』
『昼すぎだね。そんなに早くおわんの?』
『・・・今日は9時からだから・・・・・、あれ?もう8時半じゃん。やば、俺二度寝してた。』

・・・・こんにょ・・・・

『じゃあ1時ね。昼飯どうする。』
受話器の向こうがあわただしいから、約束だけしてきろうと思った。
そしたら比呂は『一緒に食おう、おごる。ありがとう。』といって電話を切った。

・・・・いそがしいやつ・・・。
でもどうやら、今日は俺が比呂を独占できそうだ。
人気者の比呂はいっそのこと、体10こくらいあったらいいと思う。世のために。

でも10こあったらあったで、その全部を独占したいと思うんだろうな。俺。
人なんて欲深い生き物だから・・・。うん。

今日の俺はなんかいい感じのスタートきった。
下で兄ちゃんが なおなおうるさいから、とりあえず洗車を手伝ってこよう。







Post at 08:40 // Date 2006 ・ 04 ・ 29


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