2006/7/17 (Mon.) 23:29:48

今日は朝イチで部活があった。昨日、試合に出なかったやつだけだから、麦は来ていない。

浅井も風邪だかで休んだから、比呂を独占できて嬉しい。
他の一年も仲いいんだけど、やっぱクラスが同じだってのは強みだ。

まあ、そんなかんじで、部活が超たのしかった。
麦や浅井に対しての、劣等感や嫉妬っていう無駄な神経の消耗が、何一つ無かったし、
何より比呂が、今日はよく笑った。

最後に一年だけパスとシュート練習をやることになって、
先輩達が帰ったあと、みんなでわあわあいいながら、シュート練習で盛りあがる。


そのときに、比呂が俺の背中で壁パスをする。いってえなあ!
『なにー?』といってふりかえると、比呂が笑って、俺に言う。
『今日、映画行くんだ。』
『なにみるの?』
『ブレイブストーリー』
『誰と?』
『麦と。』
『・・・・・。』
『幸村も行くだろ?』
『え・・いいの?』
『うん。麦がユッキー誘えばっていってたし。だからお前、小沢誘ってよ。』
『うん。』

比呂は俺を通り越して、ドリブルシュートをしようとしていた。
『るかわかえでーーー!!!』と大声出して、放ったシュートはきれいに決まってた。

麦が?俺を誘えって?うそ・・・。

ぼんやり考えてたら、電気科の水上に『ユッキの番だよ!』といわれ、
急いで放ったシュートは、放物線を描きネットを揺らした。

あまりに盛り上がりすぎて、全員で100本決めたら終わるはずが1時間以上やってしまって
10時から体育館を使うバレー部の先輩にせかされて、いそいで着替えて外に出た。

俺は、小沢に電話をする。そしたら俺より先に、麦から連絡いってたみたくて、
映画にくることに決めてたみたいだ。

比呂と一緒に清水にあるドリプラにむかった。
んで、うろうろしてたら、比呂の携帯に麦からメールが来て、映画館のほうにあるいていくと
チケットと飲み物を買ってくれてた小沢と麦が、俺等を見つけて手を振ってくれた。

おれらが見る映画はわりと空いていたから、なかなかいい席に座ることができてラッキーだった。

上映前に、麦が比呂に部活の様子を聞いている。
比呂は、楽しかった事だけ話すと、あとはパンフに目を通していた。

映画が始まる。アニメだから結構見やすい。
でも俺この話、原作しらねえし、展開が速すぎてわけわかんなくなっていた・・が・・
隣の小沢にひじを、つんつんっとつつかれて、俺が小沢のほうを見ると、小沢の隣の麦が泣いてる。
えええええええええ〜〜〜〜〜〜っ!!!
ぼろっぼろと涙流しながら泣いてる麦にビビッていたら、
その隣の紺野にいたっては、バスタオル出して、泣きながら映画を見ていた。

泣くような映画か?つか、

バスタオルって・・・・。


映画が終わって、場内が明るくなると、比呂も麦も、まだ、ぐずぐずしていた。
『やられたよ・・・。』『泣けたよ・・・。』
そんな風にウダウダいってるから、外で飯食いながら話そうよって、俺が促した。

激混みのマックで、好きなもの買って、外のベンチでハンバーガーを食った。

『何がそんなに悲しかったの?』というと、比呂が泣きそうな顔になりつつ
『ウェンツがさー・・。』とかいって、また泣き出す。
『ウェンツじゃなくって、ミツルくんだろー。』と、つっこみながら、
麦も目にいっぱい涙をためてる。

そして二人は小沢をみて、『『わたるー!!』』といって抱きついた。

そばにいた家族連れの人とか、女の子らの集団(ラブコンの小池目当ての女子軍団)や、
同い年くらいのカップルさんに、くすくす笑われてるのがわかる。んふふ・・。
あの人らから見たら、俺もこのおかしい三人の仲間として見られてるのかな。


なんかちょっと、優越感だ。
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