2006/4/25 (Tue.) 08:13:20 朝の6時きっかりに携帯が鳴ってびっくりした。 頭が半分寝てたから、まぼろしかなって思って無視したんだけど、いつまでも鳴ってんの。 たぶん一瞬二度寝したから3分はたってる。 だから、あー・・現実かー・・と思ってでてみたら、電話の相手は幸村だった・・。 ・・・し・・辛抱強いやつ・・・ 電話の向こうで幸村は、ひっくひっく言いながら泣いてた。 ・・もしかして俺に無視られてるって思ったのかな・・ってめっちゃ焦った。 いや確かに実際無視してたんだけど、でも幸村を無視したわけじゃない。 『おはよ!幸村?』 『ん・・ぐすっ・・んがっ。』 『(んがっ?)・・ごめん・・ちょっと寝ぼけてて出るの遅くなった。』 『ほんと?ほんとに?・・ぐすっ・・。』 『ああほんとだよ。もう目が覚めたよ。どうしたんだよ。なんかしたの?』 『紺野・・。話があるんだ。』 『おう。』 『『(・・・シーン・・・・・)』』 『あれ?話あるんじゃねえの?』 『や、電話じゃ駄目だ。直接お前に話したい』 『あ、そ。じゃあがっこ・・』 学校で・・っていいかけた途中で、幸村が俺の言葉を踏み潰すかのように約束の場所を突然告げる。 『10分後、光が丘第二公園に来てくれ。じゃあな。』 『えっ?!あっ?!じゅっ???ちょっ・・ちょっと待っ・・』 ぶつっ・・・つーつーつー・・。 俺の焦りを一切無視して、盛大に電話をブチきる幸村。 ・・・第二公園に10分後?第二?ん?俺・・第一公園なら知ってるけど・・ 第二公園なんてしらない10分っていうタイムリミットに焦った俺は迷惑を承知で(朝っぱらだけど)斉藤のところに電話した。 斉藤も寝ぼけてたみたいだけど、快く場所をおしえてくれた。まじでいいやつ。 『んーとねー・・・。ユッキーの家は知ってるよねー。あいつの家の前の道をさー 商店街のほうに向かっていって、ジャスコのほうに曲がんないで逆のほうに曲がると公園があるよ。』 俺は斉藤に死ぬほどありがとうをいって、電話を切ると支度を始めた。 つか支度とか言ってる場合じゃねえじゃん。寝癖とか、朝飯とか、そんな悠長なこといってらんない。 だって俺んちからその公園って、普通にチャリで15分はかかるもん。 ・・・幸村って頭いいけど、そういうとこの計算はどうかしてる。人には限界ってものがあるんだよ。 俺は制服着て授業道具をリュックにつめると、ばたばたと階段を下りた。 おばちゃんが出てきてびっくりしてるから、事情説明しながら靴はいて、いそいで家を飛び出した。 すげえ頑張ったんだけど、電話きってから公園まで20分くらいかかってしまった。 案の定幸村は待ちぼうけで、公園でしくしく泣いていた。・・わー・・ごめん・・・。 『幸村・・ごめんな?』 『こ・・紺野・・。』 そしたら幸村がいきなり俺に、抱きついてきてほっぺにちゅっとする。 ・・・・・えっ?!!『ごめんな!俺、昨日はほんとにごめんな!』 『ななななにが? 』 『俺、お前が大好きでつい嫌味とかいっちゃったんだ!』 『・・・はっ?なにそれ・・・』 『俺はお前が大好きなんだ!!』 なにそれーーー!!!!いや待て待て待て待て・・ それってどういう意味?ほっぺにちゅうとか、抱きしめ系とか この状況でそんなこと言われて体が一ミリも動かない。 つか、お前の言ってる 『大好き』ってどういう意味・・怖くて聞けない・・怖くて聞けないよー 夢なら必死に起きろ俺っ・・・・どどど動揺がやばい・・・・ 幸村はそんな俺のうろたえっぷりを完全にスルーして語りだした。 『何度も言うけどね、俺は友達がいなかったんだ。紺野は俺の理想なんだ。最高理想の友達なんだ。 でも俺、紺野が他のやつと仲良くしてると悲しくなって、独占欲が強くなって、 そういう気持ちに負けちゃって、嫌な態度とっちゃうんだ。』 そうなんだ・・わかったし全然俺は気にしてないけど・・いや待て って言うか・・近いっ・・近すぎるからっ・・・ちょっと離れ・・・て・・・ 『ごめんな!ずっと友達でいてくれ!彼女できても、結婚しても、子供生まれても、ずっと友達でいてくれ!』 『えっ?うんっ・・わっ・・わかった。大丈夫・・ずっと大丈夫だから・・』 声絞り出して俺が返事すると、幸村はもっと抱きついてきて大泣きした。 俺はもともと椿平って所に住んでいて、そこは絵に描いたようなド田舎で、 光が丘はわりと都会じゃん。住んでる人間の質が違うのね。 幸村なんかはその代表で、見た目は芸能人みたいにかわいい。 普段はツンケンしてるけど、こうやってたまにおかしなこという。 まじでドラマティックなひとだから、ついてけないのね。田舎でのんきに育った俺には。 何とか幸村を泣き止ませて、一緒に朝飯食おうって誘った。 食い物パワーは尋常じゃなくて、幸村はすぐ泣きやんだ。 何食いたい?っってたずねたら『紺野と同じものでいい。』という。 そうかー・・と思ってちょっと考え、『じゃあ駅前の立ち食いそば屋の・・』と俺が言いかけたら、 幸村が俺の声さえぎって『マックに行こう。』と言い俺を引っ張る。 ・・・いい加減飽きたよこのパターン・・・・ |
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