2006/4/27 (Thurs.) 19:40:20

何故か幸村が風邪にて欠席。

欠席なんだけど、休み時間ごとにメールや電話が来るから
教室にいないことを忘れて、あいつの空席に声かけた昼休み。
『飯どうする?』って声かけたら、斉藤が『はあ〜?』ってふ抜けた声を出した。

いつも一緒にいる奴が、突然休むとなんか調子狂う。
色んなやつが『一緒に食おう』と声をかけてくれたんだけど、あいつのことを考えたら、
他のやつと食うのはなんか裏切り行為な気がしたから、とりあえず今日は一人で食べることにした。。

そしたら電話がかかってきた。幸村から。
『誰と食ってんの?俺のことなんか忘れちゃった?』

第一声がそれだから笑える。

『一人だけど。』

そういうと、電話の向こうで幸村がごにょごにょと照れたようなことを言っている。
ひとりで食う飯は正直あまりうまくない。
電話やメールのたびに見舞いに来いとかうるさいから、部活後に家に寄る事にした。

学校近くのケーキ屋に寄る。あいつって男のくせに甘いも激好きなんだよね。
でも俺は、ケーキとかはどっちかっていうと苦手だから、何をどうすればいいのかわかんない。
『甘くて風邪にいいやつ10個ください。』といったら店員さんに笑われた。
一緒に選んでくれたケーキは、イチゴとかグレープフルーツがのってる。
俺はそれをカゴにそっと入れて、幸村家に向かって自転車を走らせた。

風を切りながら走っているとき、一人で食ったパンの味を思い出す。
幸村は中学のとき、どんな気持ちで昼飯くってたんだろう・・。
俺はその頃のあいつは知らないけど、それでもなんだか悲しくなったし
やりきれない気持ちでいっぱいになった。

幸村は、高校に入ってから毎日俺と昼飯を食べる。
『うまい、うまい。』って言いながら、ほんと幸せそうに食べている。
たいした話をするわけじゃないのに、ニコニコしながら俺のことをみていて、
俺はこの先三年間、できるだけ学校を休まないように
風邪とか怪我に気をつけて、ちゃんとしようって思ったよ。
NEXT