ミドルネーム

今日はバイトだった。しかも比呂と同じ時間帯だったからずーーっと一緒。

運命共同体。

俺は店のレジを頑張って、比呂は寄せ植えやったり、ポップつくったり
一生懸命頑張りつつ、とても機嫌が良かったもようだ。えへへ。

目が合うと、露骨に驚いて一秒で目をそらし、へへ〜って笑う・・比呂のその仕草が俺は好き。
俺はそんな比呂が大好きなんだ〜。

あんまり目が合いすぎてもアレだから、わざと無視してたりすると、
比呂が店の床をコツコツと叩いて、俺の顔を覗き込むようにしてるんだよ。
なにもう。最高幸せだよ。これが恋なのかっ。俺の春ってことなのか!

去年の今頃はすでに、片足は恋愛に突っ込んでいたような感じの俺だったけど
実ったね〜・・。マジ実ったね〜。
そのうち花でも咲くんじゃね?ってくらいに僕らは順風満帆!

神様ありがとう!

途中、俺がレジのとこに立っててー、すぐ後ろっくらいに一階のスタッフルームがあるんだけど、
そこで比呂と秋山さんが、だらだら話してたみたくて声聞こえんの。なんかー・・。
ちょうど店も空いてるときで、BGMがラムジだったからいつもより静かだったんだよね。
そしたら話してることとかも、わりとちゃんと聞き取れてさ・・。


『比呂はどうなの。彼女とうまくいってんの。』
とか言う秋山さんの声が聞こえてきて、俺は思い切り硬直!!!
だって秋山さんは俺らの関係しらねーしね。
俺、動揺しちゃってさ、なんもねーのにレジ開けて1000円札の場所と
5000円札の位置交換して、また元に戻したりして
そんな意味ねえことしながら、比呂がどういうか聞き耳立ててたんだけど
比呂は全然普通の声で

『あー。もう。全然。俺だけ幸せですみません。』
とか言うんだ。俺の大好きなああいう声で。
俺さー、顔真っ赤になっちゃって、客いなくてマジよかったんだけど、
そのあと比呂がどーでもよさそうに

『マイネーム・・・ひろー・・はっぴねすー・・こーんの。』
っていって、あははって笑ってたんだ。

ハッピネスってなにー・・。もー・・・。
秋山さんが比呂を茶化してんだけど、もう俺そこまで聞き取れないや。

うれしい。すごいうれしい。
比呂はきっと俺がこんな感じで、盗み聞きしてんのに気づいてない。
俺はしゃがみこんで、カウンターの陰に隠れながら
声を出さずに息だけで、きゃーきゃーいってた。

そのあと、秋山さんが、
『そういえば幸村って、彼女いるの?』
とか比呂に聞く。俺の心はまた凍る。
だけど比呂はまた普通に答える。
『いますよ。もう、らっぶらぶで。』


最高!!





うれしいよー。2年になっても同じクラスだし。


俺も名前変えちゃおうかな。

那央 はっぴねす 幸村 

とかに。


苗字同じになれないなら、せめてミドルネームで愛主張しちゃうもんね!


2007/04/15(日) 23:08:09
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