2006/5/26 (Fri.) 23:50:29

午後授業が終わって、今日は掃除当番が休みで
部活まで時間あるし麦にも頼まれたから、比呂と飲み物を買いに自販へいった。
俺はここ数日、激しい嫉妬に悩まされて、ロクに睡眠をとれてない。
物もあまり、食えてない。毎日、胃の痛みと戦っている。

比呂がこないだナンパした女と、かなり気が合っちゃってるみたいで、
付き合い始めたのかなんなのか、最近その子とばっか遊んでるんだ。

・・・くやしい。

自販機の前に到着して、比呂が先にコーヒー牛乳を買った。
『なに飲む?』と比呂が言う。どうやらおごってくれるらしい。
何にしようかなっておもってたら、口が勝手に言葉を発した。
『じゃあ、お前の精液・・。』

・・・・。

『・・・は?』
『・・・・え?』
『・・今、なんて?』
『いや・・なんでもない・・。』
『・・あ・・そう。・・びっくりした。』
『俺もコーヒー牛乳。』
『あいよ。』

ガコンっと音をたてて、コーヒー牛乳が受け取り口に落ちる。
それをとって、俺に渡すと、比呂は俺の顔を覗き込んだ。

『・・・お前・・なんか・・やつれてない?』

俺が黙っていたら、ちょっと考えるような顔をして、
比呂はストローをパックにプスっと刺して、コーヒー牛乳を飲みだした。
部活の先輩の話を始めたとこをみるあたり、聞き流してくれたんだろう。

俺はそんな比呂の後ろを、とぼとぼとついて歩いてたけど、
色々想像していくうちに、吐き気がしてその場にうずくまった。

『・・・幸村?』
『・・・。』
『気持ち悪い?顔が青い。』
『・・・・。』
比呂の手が俺の背中を擦る。

反射的に胸の奥が甘く痛んだ。でも、冷え切った俺の冷静な頭は
余計な分析を勝手に行い、容赦なく現実を叩き込んでくる。

・・・比呂・・お前、その手で昨夜、あの女と何をした?

突然世界がグラっと傾き、俺は比呂の胸に倒れこんでしまった。
そして、最悪なことにそのまま俺は、比呂の胸元にはいてしまった。

ここ数日、食欲なくて、吐いたものは殆ど胃液で
いきなり俺が倒れこんだから、比呂はバランスを崩したんだけど、
吐いた俺をぎゅっと抱きしめて、俺をかばう形で壁にぶつかった。

抱きしめられて、感覚が戻り、その状況に卒倒しそうだった。
比呂は飲んでたコーヒーがこぼれたのと、俺の吐瀉物で汚れた服をきたまま、
『大丈夫?』って心配そうに俺の背中をさすり続けてくれてたんだよ。

通りがかった小沢が、ビックリして声をかけてくる。
嫌な顔なんかひとつもしないで『先生呼んでくる。』といってくれた。
すぐに保健の先生が飛んできて、俺は保健室に運ばれた。

俺はもう、何もかもが嫌になって
消えてなくなってしまいたいと思った。
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