Date 2006 ・ 06 ・ 12

飯食った

今日は朝から14時までバイト。俺のバイトあがりと比呂の休憩時間を
合わせたくれた秋山店長のおかげで、久々に比呂と二人で飯を食いにいけた。

体育祭以来、俺には知り合いがいっぱいできて
友達の人口が増えるとともに、比呂との距離が離れつつある気がする。

ラーメン屋に行った。店に入ったら空いていて、・・失敗した・・と俺は思った。

すぐに席に座れて、なじみの店なので注文もすぐに決まる。
あっという間にラーメンがきて、一気に食って席を立った。
・・・せめてもう少し混んでたら、ゆっくり話しもできたのに。

落ち込む俺。比呂の休憩時間はあと20分くらい。
最近これといった悩みもないし・・・話のネタが全然ない・・。
そしたら比呂が、俺の顔を覗き込む。

『なんかした?元気無いね。』

・・やべ・・。また顔にでてた?俺・・。

『ううん。なんでもない。ちょっと考え事。』
『ふーん。考え事しながら歩いてると危ないよ。』
『・・うん・・。わり。さんきゅ。』
『そうだ、お前に見せたいものがある。』
『?』
『まだ時間ある?店に戻っていい?』
『うん。』

さよならを引き伸ばしてくれた比呂に、俺は心から感謝しつつ、
店までの道を比呂の背を見ながら歩いた。

スタッフルームで自分のバッグを漁る比呂。
俺は床にぺたりと座って、その動向を見ていたんだけど、
そしたらバッグの中に向けられていた比呂の視線が俺のほうを向く。
そしてにこっと笑うと比呂が、バッグから何かを取り出した。

・・・・・。

あーーーーーーっ!!!

比呂が俺に差し出したものは、俺が集めてるキャラクターのキーホルダーだった。

『さっき思い出した。おととい買ったやつなのに。』
『え?どこで?!』
『ジャスコのそばの雑貨屋。』
『でもなんで・・なんでこれ・・。』
『だってお前こないだコンビニで、そのキャラのけしごむ全種類買ってたじゃん』

・・・み・・・みてたんですか・・・

『はい。』
『え・・・。』
比呂に渡される。・・それって俺のために買ってきてくれたってこと?
『色々種類あったんだけど、一番かわいいと思ったのがそれだった。』
『・・選んでくれたの?お前・・。』
『や、最初は全部買おうかな・・とか思ってたんだけど、周囲の視線が痛すぎて。』
『あははっ!』

俺、嬉しすぎて、顔が真っ赤になって、ほんと嬉しいから、すぐに自分のバッグにそれをつけた。

すっげ・・うれしい・・。大好きなキャラのキュートなキーホルダーを大好きな比呂がかってきてくれた・・・。

『金払うよ。いくら?』ときいたら、比呂がふふっとわらう。
『なんで。いいよ。俺が勝手に買ってきただけだし。』
『でも・・・。』
『いいのいいの。でも、そんなに喜んでもらえるなんておもわなかった。』

比呂は俺の肩をたたいて、『じゃ。おつかれ。』っていうと、そのままドアを開けて、店への階段をおりていった。

俺はそのあと塾の補習を受け、家に帰り、夕飯を食い、風呂に入り、今、手にはそのキーホルダーを握り締めている。
かばんにつけていたんだけど、やっぱはずして、ベッドのとこに飾ろうと思う。

昨日までは俺の手元に無かったこいつが今は俺のとこにある。比呂の気持ちのつまったキーホルダー。

顔がにやけるのを止められない。比呂が俺にくれた・・。宝物だあ・・・・。


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