『それにしてもつくづく阿笠博士の発明力はすげえなあ。』
『いいなー。』
『なにが?』
『うらやましい。』
『才能が?』
『比呂なんかに何の才能があるんだよ。』
『何で俺の話になるんだよ。』
『・・・お前の話をしてるんだろ?!』


シーン・・




『・・・俺ははっきり冒頭で阿笠博士っていいましたけども。』
『目が良くてうらやましいなってこと!』
『めってなに?』
『視力がよくてよかったねってこと!!』
『よくてよかったねってなんだよー。』

シーン・・



『だからテレビが見えないの!』

『あー、そういうことか。そりゃかわいそうなことに。』
『かわいそうなことに・・で終わるなよ!俺はテレビがみたいんだ。』
『無理を言うなよヘブンリー。林間終わったら、俺がつたYAで借りてやるから。』
『それじゃ遅い!!』
『?!』
『今じゃなきゃヤダ!』
『何だその駄々っ子。』
『今がいいー。今!』
『だって俺、今日会員カードもってねえもん。』

『そういう問題じゃない。』


『?』

『あー、もう何で俺は視力が悪いの?』
『贅沢言うなよ、俺に至ってはまんべんなく長所がないよ。』
『まんべんなく?』
『そこはかとなく。』
『そんな紆余曲折はどうでもいい!』
『(うよきょくせつて・・・どういう意味だっけ?)』

シーン・・



『定期的なこの沈黙がなんともいえないな・・』
『うっせ!そんなのどうでもいいんだよ』
『もう高校生なんだから、少しは我慢をしなさいよ、あんた』
『ならあんたこそ高校生なんだから、少しは知恵を出しなさいよ』
『そーーんなにみたいか?コナンを!おそらくこれ、もう何度も再放送してるやつよ?』
『最後の歌、一緒にうたいたいんだもん。』

しーん・・



『・・・じゃあ好きなだけ歌えばいいじゃん』
『そういう問題じゃなくって!俺は歌詞見ないと歌えないから、だから画面見えるとこにいきたいの!』
『考えてみな?前に行くには補助席でガン寝してる楠本をどかさないといけないんだよ?』
『・・・・・。』
『しょうがねえなー。じゃあ俺が今、死に物狂いで歌詞思い出してやるから、メモのご用意を』
『そんなもんない。』
『なら心と言う名のノートにめもれ。』
『・・・・』
『・・・・。』
『・・・・。』
『さて・・と。』
『なんだよ。』
『さっき先生から荷物預かった時に、双眼鏡があったんだよね。』
『?!』
『後ろのバッグに入ってるから、ちょっとみてみるよ。』
『まじで?さんきゅー!』

がさがさ・・・

『どこだったかなー。』
『比呂!比呂!』
『ああっ?(イラ)』
『もうすぐ最後の歌はじまる』
『はええ!つか結局犯人だれだった?』
『早く早く!』
『・・・あ、、あった!ほれ。』
『さんきゅーー!』

双眼鏡でテレビを見ながら、大声でエンディングを歌う坂口


『ゆら・・・。』
『ん?』

『10年後もそのままの君でいて。』




男子の会話