『おーい!幸村ー。』
『あー、こんにょー。どうしたの!汗だくだね。』
『もー大変だよー。見て俺んちバンガロー。』
『?』
『なんで俺んちとこだけ、あんなにさー、なんもないとこに建ってんの?オールウェイズ日なただよー。外より暑い。』
『まじで?みんなどうしてんの?』
『あの向こうに水道があってさ、みんなでバケツリレーで水かけたんだけど、そしたらさーー』
『うん。』
『盛大に蒸気がぶわーでてきて!』
『わっ!』
『びっくりして、命からがらみんな逃げた。』
『あははは。大丈夫?』

『大丈夫じゃねえよ。ほらみてみな。まだ水蒸気がでてるよ。』
『・・・あー。。ほんとだー・・・。』
『幸村のとこいいね。木陰じゃん。』
『うん。中も涼しいよ。』
『いいなー。ちょっと休ませて。』
『中入る?』
『いい。外で。』

『・・昼ごはんはちゃんとできた?』
『うん。すげえよ!』
『?』
『暑いからさ、飯とか炊けるのすげえ早かった。』
『うそ!』
『だって、やかんに水入れといたらさ、勝手にお湯になってるし、石の上にフライパン置いといたら、勝手に肉とか焼けるようになってるし。』
『そんなに暑いの?あそこ。』
『暑いなんてもんじゃねえよー。だからさっき雨先生に、坂口が文句言ったらさー、「4人用テントならあるよ」』だって。』

『・・ふふっ。』
『先生、僕ら、男5人なんですが。』
『あははっ!しかもみんな170以上だもんねえ。』
『UNOできねーじゃんね。UNOが!』
『もってきたの?』
『うん。・・だけど4人テントでひしめき合ってUNOなんかできねえって話。』
『そうだよね。ふふ。』

『やだなー。男5人で4人用テント』
『男5人じゃきついよね。』
『だよねー・・・。夕方から涼しくなるかなー。』

『夕飯後に、肝だめしだっけ。』
『そう。男同士のきもだめしに、何の意味があるんだっつの。』
『あはは。俺らって風呂なんじだっけ。』
『風呂は飯の前。5時』
『じゃあもうちょっとだね。』
『だね。』

『比呂の班、夕飯なにつくるの?』
『富士宮やきそばとー・・ゆで卵だよ。』
『え!まじで!うまそう!』
『幸村んちは?』
『俺等はトン汁とあじの開き』
『しぶい!』
『しぶいしょー。はは。』
『なんか俺、飯作るのもやっくいなあ・・。』
『脱水症状じゃない?水あげるよ。』
『ありがと・・・。そうだあのさー。』

『んー?』
『夜の自由時間、小沢と遊ぶの?』
『ううん。小沢はあれだもん。委員会で見回り当番。』
『じゃあお前、俺んちとこきなよ。』
『え?いいの?』
『うん。大人数用にトランプとか色々持ってきてるからさ。』
『やった!・・でも、それまでにバンガロー、さめるかな。』

『むしろ燃えてしまいそうな予感』