林間学校最終日。最後の行事は公民館の掃除。
10時ごろには雨もすっかりやんで、みんなでせっせと掃除をする。
俺は玄関の掃除をやった後、まだ終わっていない場所の掃除を手伝いしようと思って
館内をうろうろしてた。

そしたら、階段のほうでバタバタ音がする。
なんだろう・・ってじっと見ていたら、抜け殻のような顔した紺野ちゃんが、ひょこっと顔をだしたんだ。
・・・魂はどこに置いてきたんだい?(ぷぷ

『・・・浅井ちゃ〜ん・・・ひさしぶりー・・』
『どうしたの?ひとりぼっち?』
『そうなの〜・・。一人で4階までの階段、掃除すんの〜。』
『なーんでオカマさんしゃべりなの?』
『誰にもすれ違わないし〜・・ここの地元の人しか見てないし〜・・置いていかれちゃったかと思ったよ〜・・。』
『(俺の問いかけは丸ごと無視かい)』
『ねえ暇?暇でしょ?暇なんだから、ここにいてよ〜。話してってよ〜。』
『あはは、いいよ。手伝うよ。』

俺は階段のほうに歩み寄る。

『もうすぐ終わっちゃうねー。林間学校。』
『そうだねー、なんかなんも行事やらなかったね。』
『でも俺、あれだよ?あんな人数でめざましテレビみたの生まれて初めてだよ。』
『ああ俺もー。』
『紺野ちゃんは、なんか思い出できた?』

『あんまり人に自慢できることは・・・・』




ああ。そういえば噂聞いた。

包丁で指をグサッと切ったのに、バンソコで治るって言い張って、保健委員困らせただとか
きゃあきゃあはしゃいで木に登って、雷にビビッて落っこちたとか。
ピンクのあの子にシめられたとか、みんなに広まってんの知ってんのかなあ。この人・・・。

ぐっだぐだになって俺に話しかけてくる紺野ちゃんをみてたら
すげえおかしくなっちゃって、ひとしきり俺は笑い倒して


やっぱこの学校サイコー!!って、心の底から思ったよ。