ついに林間学校も終了☆楽しかった〜!!行事は何もできなかったけど、思い出は星の数ほどだ。
自分の予定・・たとえば塾とかバイトとか、そういう物から切り離された集団生活の中で俺は、
比呂の姿をひたすら追って、そしてますます大好きになった。

帰りのバスで早々に、比呂と坂口が熟睡してしまった。
ふたりで頭をもたせあって、くうくう寝ていてとてもかわいい。
俺はじっと見つめたし、小沢が携帯で写真とってくれた。

寝ている比呂と手をつないだよ。結婚したくて死にそうだったよ。

俺は幸せだったから、比呂の手を握りながら小沢と話をした。
林間学校の事とか、中学までのいじめの事とか。
小沢は黙って聞いてくれて、『よく頑張ったね』っていってくれた。

俺、この勢いだから聞く。実は気になってたことがあって。

『小沢はさ、俺が紺野を好きな事を・・キモイとか思ったことナイの?』
ドキドキしながら聞いたら、小沢に笑われた。
『・・だって紺野相手じゃん?だから、なんかすごく納得できたよ。』
『・・・それって・・実は小沢も比呂のこと・・・。』
『ちがうちがう!そんなんじゃねえよ。』
『じゃなんで?』
『・・・んー・・人生の中で、こういうやつと出会ったことなかったし・・』
『・・・。』
『うまく言えないけど・・でも、紺野に惚れるお前の気持ちは、なんとなくわかるんだよ。』
『・・・。』
『趣味いいとおもうよ?恋愛の。』
『・・ほんと?』
『あったりまえだよ。だから応援してんだ。』
『・・・・。』
『じゃなきゃ親友が男に惚れたら、命がけでとめるっつーの!』
『・・・・』

親友っていってもらえた・・。

『ありがとう・・・すごくうれしいよ。』

俺は思わずてに力が入る。すると寝ていた比呂が『・・痛い』とガラガラ声でつぶやいた。
俺が慌てて手を離すと、比呂の右手に俺の手のあとがついててマジ焦った。
手の傷・・握り締めなくってよかった・・ってほっとした。

ぬくぬくとした話してたら、学校にバスが到着する。
比呂も坂口もちゃんと起きた。ボケてたけど、とりあえず目は開いていた。
比呂が寝ぼけたような顔で右手を痛そうに振っているのを見て、俺も小沢も笑った。
ごめんね。大好きだよ。紺野。

バスを降りるとき、俺と小沢が『帰りにケンタッキでもいかねえ?』と何気に話してたら
俺らの前を歩いてた比呂が、ぼーっと振り返って『・・俺もいっていい?』という。

やった!釣れた!ケンタ餌にして紺野が釣れた!!!

ニヤニヤしながらバス降りて、先生から短い話があり、さあ行こうっていうときに、
麦が手を振って駆け寄ってきたんだ。
『お〜い!!カラオケ行こうぜ〜!!』
その声に坂口が反応して『いいね!いこういこう!』といい、比呂の腕をがしっとつかんだ。
『は?え?ちょっと待て、俺は小沢らとからあげ・・・』
まだちょっとかすれてる声で比呂が、麦や坂口にそう告げるけど

そんなの2人はまるで無視(爆笑)



ギャーギャー騒いで抵抗している比呂を、さっさと連れ去ってしまった。

『ねえー!俺はお前らと食いにいくんだよね〜!からあげ〜!!』とか比呂が言うんで
俺は小沢と顔見合わせた後、満面の笑みで手を振った。
『じゃあね〜!!紺野〜!!カラオケがんばって〜!!』

『うーらーぎーりーもーのー・・・。』といいながら、比呂は遠くに消え去っていったのでした。

『・・ヤキモチやかないの?ゆっきー。』
『うん・・。なんかー・・ああいう比呂もかわいくて好き。』
『ふふ。じゃあ比呂の分も、俺らでから揚げ食いますか。』
『おもいっきりから揚げっていってたよね、紺野。』
『そうだねえ〜。ははっ』

・・・楽しかったー。なにもかもが。
林間学校なんかが、こんなにドラマティックに見えるんだもん。
愛はすごいよ。友情はすごいよ。ほんと最高だよ。絶対忘れない。