その後、
突発的に来た
幸村那央に、
なぜ紺野比呂が
気づけたのか。
『あ・・こんなとこ歩いてる人がいる。』


『おー・・俺と同じ帽子じゃーん。』


『そういや、俺、あの帽子どこやったっけ。』


『・・・・・・・なんか那央系男子・・・・』


『・・・・・・・・・・・・・・・』



『那央かっ!!!! 』

街中だったら、たぶん紺野は
ユッキーの存在に気づかなかった。

あんまむやみにキョロキョロと
人を見ているタイプではないので。

ユッキはそれほど方向音痴ではないけど、
知らない土地でも目的地探し当てられるほどの
嗅覚はもっていない。

ただ、紺野に会いたい一心で
怖いもの知らずになっていた。
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