手紙には、那央の近況が書かれていた。 毎日のように電話やメールで話してるのに、手紙に書かれてあることは 俺の知らなかったことばかりで、読んでいてとても楽しかったし、 時々すごく心配になった。 でも、那央はとても前向きに、毎日がんばっていることが伝わってきた。 そして、近況報告のあとに、ほんの数行だけど、俺への気持ちが書いてあった。 愛してるだの、家族ですだの、読んでて恥ずかしくなるようなことが たくさん書いてあって、かなり照れくさかった。 仕事の話を書いてあるときの文字は、すごくきっちり丁寧なキリっとした文字だったのに、 俺への気持ちに突入したとたん、なんか文字までデレてておもしろかった。 わざわざ色鉛筆つかって描いたらしいハートマークがいっぱいでうける。 那央の誠実さって、こういうとこに出る。 かたっぽだけのアームウォーマーは、那央が大学の頃に練習用で編んだらしい。 俺のことを思いながら練習してくれたらしくって、ひとつだけ編んだ後、 誰かにあげるとか、自分で使うとか、ほどくとか、そういうのできなかったんだって。 俺の怪我は、打撲のひどい版みたいな感じで、ちょっとまだ痛いんだけど、 アームウォーマーしてたら、なんか、那央がずっとそこをさすってくれてる ような気分になって、じんときたよ。 会えないから、なおさら、こういうやさしい気持ちに弱い。 今夜は久しぶりに、高校の頃、那央からもらった手紙とか 読み返そうかなーって、思ってる。 |
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*********** 2013年、比呂ちゃんバースデーでした。 おめでとう☆ |
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