2007/6/8 (Fri.) 22:58:47

比呂から電話がかかってきた。うれしい。なんかすごいうれしい。

『なにしてんのー?』っていわれたから
『べッドの中で寝る体勢。』って答えたら、電話の向こうで
『まじかよ。見せろ。』って比呂が言った。あほ。
比呂の電話のすぐ近くで、なんかバサバサと音がする。
『何?』ってきいたら、『店の資料。』っていう。仕事持ち帰ってきたんだって。

『比呂・・・。』
『・・・んー・・?』

カチッという音が聞こえて、そのあと何かが燃える音、次に比呂が息をふーっとはいた。

『あー・・・煙草吸ってるらー。』
『ちがう。深呼吸。 』
『うそこけ。』
『うっせーなー。いいだろー。つか見えんのかよ。すげえ才能だな。』

あっほひろ。煙草吸ってる顔、見たい。

『ねえ比呂ー。』
『んー?なにー?』
『仕事・・俺の電話のせいで、持ち帰る羽目にあったのー?』
『ちがうよー。つか俺の電話のせいで・・とか言うのやめろ。』
『だけど・・。』
『君との電話のために、早く帰りたかったの、俺が。』
『ばか。』


比呂は息をふーっとはくと『バカは生まれつきですー。』といった。

あー・・・・なんか、力抜けるー。

『そうだ、那央。』
『なに?』
『お前来週バイト、すげえいれてあったけど大丈夫?』
『・・・・え?』
『週4とかで入ってたぜ?塾どうすんの?』
『え?!そんなに入れてあった?』
『シフト表あんじゃん?あれみてたら、お前の字でお前の名前、超書き込んであった。』
『どうしよう・・俺、そんなにはいれないや。』
『だよな、やっぱそうか。』
『どうしよう。』

ドジかました。俺のバカ。どうしよう・・・。

『いいよ、一応秋山さんにはいっといたんだ、これ無理だからって。
それに俺のシフトと時間帯一緒だからさ、俺が出れるから大丈夫だよ。』
『・・比呂、たいへんじゃないの?』
『全然大丈夫。つか、一応確認だけしとかないとあれだから、お前に聞いてみた。』
『・・・・ごめんね。』
『いいよそんな・・っていうか、じゃ、感謝の意味をこめて騎乗位やらせて?』
『やらせん。』
『ちっ・・』

あはは。甘いんだよ、つか、どんなけ執着してんだよお前。

『比呂ー。』
『なに?』
『好き〜。』
『・・・・俺も好きー。』
『なんかあほみたいね。俺ら。』
『俺はいつでもお前にあほあほ言われてるけどね。』
『いってないよ。』
『いってるだろ。』
『いってねえよ、あほ。』
『・・舌の根が乾かぬうちにお前・・・』
『あはははは。』
俺が大声で笑ったら、兄ちゃんがドアをちょっとあけて、
こっちみてたよ。目があっちゃったし!

寝返りを打つ。

『ねえ比呂ー。』
『なに?』
『なんか話して?』
『話ってなんだよ。』
『なんでもいいよ、聞きたいの。お前の話。』
『・・・・じゃーあー・・・・。』

そういうと、電話の向こうでなんかガサガサおとがする。
そんでそのあと、ばふって・・布の音。

煙草消して、ベッドに寝転んだんだな。

ねっころがっちゃったら、すぐ眠くなっちゃうくせに。

比呂はそのあと10分くらい、友達やゲームの話をしてくれた。
おかしくて、俺、ずっと笑ってた。

俺を説教したっていいのに・・・。
優しいなあってほんと思う。

俺は目を閉じて
比呂の話をじっときいた。

じんわりと心に広がるぬくもり。


また付き合えて、本当によかった。
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