俺の幸せ

小沢と比呂と三人で、ラーメンを食いに行った。

比呂も小沢も9時までバイトだったから、塾が8時までだった俺は
おぎやんのサニマで1時間時間をつぶす。
腹が激ヘリで待ちきれなかったから、おにぎりとジュースを少し腹に入れて
10分前に店を出て、集合場所のラーメン屋前にいそいだ。

そしたら小沢がいて、『よー!』とかいって手を振ってる。
比呂はなかなか来なくって、5分後ぐらいにやっときた。
『ごめんなー。わりい。』そういって謝る比呂。言い訳しないとこが、なんとも潔い。

店に入ると、小沢がチャーシュー麺、俺が塩ラーメン、比呂が野菜ラーメンを頼んだ。
『健康気づかってるの?』小沢が比呂に、ニヤニヤたずねる。
俺は小さい声で小沢に教えてあげた。『ここの野菜ラーメン、にんじん入ってないからだよ。』

『こそこそしないっ!そこ!』



何怒ってんの!!だってほんとじゃん。前に自分で言ってたくせに文句言う比呂ちゃん、かわい☆

ラーメンがすぐに来て、少しの間、俺等は無言でズルズルと食った。
そのうちに比呂が小沢に対して『どーなの?その後。』とかいって、彼女話を引きずり出そうとする。
小沢は真っ赤な顔をして、口に入ってたラーメンをマッハで噛んで、ごくんと飲んで、
俺らの顔を見てわらっていった。

『初ちゅーをしてしまった・・。』
『『えーーーーーーーー!!!』』
『今も思い出す、あのときめき。』
『まじで?うそ!どんなかんじで?』
『一緒に公園にいってー・・で、そのときに・・なんとなく・・。』
『うそ・・・。』
『その先はどうなったー?ヤった?ねえ!ヤった?』

何を期待してるのか、比呂が露骨にそんなことを聞く。
小沢、ますます真っ赤になって『できるわきゃねーだろーー!!』ってあわあわした。

三人でメシって久々で、それだけでも楽しいのに、
小沢の恋愛トーク炸裂で、俺の心はときめきっぱなし。
だけど、そのうちに俺、なんか腹いっぱいになっちゃってラーメン半分で、もう限界で・・・
涙目で比呂に『もう食べらんない・・・。』といったら、比呂は俺のどんぶり受け取って
『しょーがねーなー。』って俺のお残しを全部食ってくれた。・・わあ・・・。

帰り道、小沢が彼女にアイスでも買ってかえるとか言うから
おぎやんがまだバイト入ってるサニマに三人で立ち寄った。

そのときおぎやんが、いきなり俺の恥部を暴露する。
『さっきユッキーが休憩室で、おにぎり3つも一気食いしてジュースガブ飲みしてたんだよ。いいのかそれ?!』

そしたら比呂がえーー!って顔して、『だっからお前、ラーメンくえなかったんじゃねーの?!』って、
俺のほうをみて、コラって顔をする。俺がへへって笑ったら『限界を知れ。限界を。』って比呂が笑った。

最終的に『夕飯前に、モノくっちゃいけません。』って比呂とおぎやんにしかられて、素直に反省した俺。まだ16歳。

ちなみにそんな俺らを相手にせず、愛しハニーのために、小沢が買ったアイスはハーゲンダッツ・・・・。
普段、ガリガリ君しか食わねえ小沢なのに・・・。



愛の力って偉大だな




2007/06/12(火) 22:58:22
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