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2007/5/7 (Mon.) 17:52:28 『あー・・、気持ちいい。』 『・・・・。』 『比呂の背中、大好きなんだー 』 『ふーん。』 『重くない?』 『重かないよ。』 『・・・気持ちよかったね。』 『・・・・・(無言で頷く)』 『・・ほんとに重くない?』 『重くない。』 『・・・・。』 『っていうか、お前、軽すぎだよ。』 『・・・・・。』 『ちゃんと食ってるの?俺がいないとこででも。』 『食べてるよ・・・。』 『絶対だな。』 『うん。』 ・・・ほんとは、ちょっとだけ、飯の量を減らしている。 女に負けたくないから・・・からだが華奢なままでいたいんだ。 『・・・那央・・。』 『え?なに?』 『・・・・・。』 『・・・・。』 『前から何度も言ってるけどー・・那央はさー・・もうちょっと太ってもいいと思うよ。』 『・・・・。』 『体質・・・じゃねえよな。それ。最近だいぶ痩せた気がする。』 『・・・・。』 『・・・・・。』 『・・だって・・・。』 『・・・・・。』 『女に負けたくないもん。』 『・・・・。』 『女に負けたくない。』 『・・・・・。』 『俺は、スカートもはけねえし・・化粧もできねえし・・ なら・・なら・・あんま、男っぽい体つきにならないように・・ 太らないように・・・筋肉つかないようにって・・。』 『・・・・。』 『・・・・。』 『・・・・負けるもなにも・・ないじゃん。』 『・・・・。』 『そんな・・女に負けるとか・・ないじゃんよ。』 『比呂にはわかんないよ・・・。俺の気持ちなんか・・』 『でも、お前のことを好きなのは俺だよ?』 『・・・・比呂・・。』 比呂は体勢を変えて、俺のことを見る。俺も比呂を見る。 大好きな人の大好きな顔。 『・・・お前が・・そうやって・・俺との関係守る為に 色々頑張ってくれるのは嬉しいけど・・・だけどさ、那央・・。 敵なんかいないよ。お前には。』 『・・・・。』 『ムリして体に負担のかかることは・・やめてほしい・・・。』 『・・・・・・。』 甘い痛みが胸にジン・・と響く。幸せは・・こうやっていつでも俺の胸を叩くんだ。 『勝手に女とはりあって・・やせてくお前を見るのはつらい。 俺だってお前が大好きだよ。ほんとに。ほんとのこと。 だから、大好きなお前にはいつでも、元気でいてほしいし、 無理して、食い物我慢して・・腹減らせてるなんておもったら・・ 俺は悲しくて仕方ねえよ。』 『・・・・・・。』 俺はまた裸の比呂の背中に、ぎゅっとしがみつく。 比呂は俺の枕を抱きしめながら、ぼそりぼそりと、話を続ける。 『無理に元気でいろって言ってるんじゃねえよ? 元気ないなら、元気のない顔で俺に頼ってくれたらいい。 俺、お前に頼ってもらえるように頑張るから。』 ぎゅ。比呂に更に強くしがみついた。 のどの奥が痛くなったと思ったら、勢いよく涙があふれた。 『・・・・大事にしたいと思ってる。』 『・・・うん。』 『・・・・夕飯・・あとで食いにいこうね。』 『・・・・うん・・・。』 『何食いに行く?』 『・・・・・じゃあ・・・。』 俺は、ここの所ずっと我慢してたカツ丼とかパフェとか色々な料理の名前を比呂に言った。 比呂はそんな俺の言葉を聞きながらふふ・・っとわらって、目を閉じていた。 比呂に抱きしめられてる枕に、嫉妬した俺は枕をぶん投げて ぎゅーってしてくれとせがむ。そしたら比呂は、あっさり俺を抱きしめてた。 比呂の背中も好きだけど、裸の胸もすごく好き。 低体温の比呂だけど、裸で抱き合えば、やっぱあたたかいんだ。 比呂の下唇をちゅっと吸う。もはやこれは俺の癖になった。 吸い付いた俺のくちびるの中に、比呂が舌をいれてきて、ゆっくり俺らはくちづけるんだ。 心地よいだるさと・・沢山話してもらえた比呂の気持ち。 満たされる・・・満たされる・・・。 うっとりと目を閉じて俺は、夢中で比呂の舌を追うのだった。 |
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