2008/7/13(Sun)20:06:06

帰り道、寂しくなって・・比呂の手を引いて暗がりに入りこむ。
黙って俺の顔を見る比呂。名残惜しいね。一緒にいたいよ。
俺は比呂の下唇にそっと噛み付いた。そしてそのまま比呂をじっとみる。

比呂はふふっと笑って俺の歯を押しどけるように舌を絡めてきたんだ。

瞬間瞬間エンディングのようで、毎日俺たちは終わっていく。
幸せを噛み締めてる今ですら、家に帰れば既に思い出になっちゃうね。
記憶のストックはいくらでも出来るけど、瞬間瞬間をとどめておくことは

・・・そこに俺と比呂をとどめておくことは・・絶対出来ないから悲しくなるよ

だけどキスをして、心を分け合って
『今日も俺たちは仲良しでした。』って
その瞬間のあったかい気持ちを、大事に大事に家に持ち帰り
一人きりのベッドの上で、大切な人を繰り返し思い出す。
好きな気持ちが大きすぎて、思い出すたびに涙が止まらない。

消えてく思い出がいっぱいある中で俺は比呂との思い出は忘れてないの。

まるでそれが俺の生きる意味であるかのように、恋に溺れて愛を噛み締める。
記憶の中で優しい思い出は、化石となって記憶の層に埋めこまれていく。
幾層にも重なる俺たちの過去は、平穏な日々だけではなかったけど
愛の気持ちは常に生き続けていた。毎晩終わっても、毎朝生まれた。
色々なことに疲れたとき、夢の中で俺はその層にもぐりこむ。
いつでもそばに比呂がいて、心を分かち合うために俺たちがしてきた努力は、
俺の自信につながって、勇気の源にもなってくれているように思う。

体をつなげる。心を通わせる。見つめあう。夢の中でまで君の姿を追う。

何千回繰り返したって、この気持ちに飽きることはないんだ。


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