2008/7/21(Mon)22:49:16

俺、比呂がヤりたがってんだと思って、『どこ行きたい?』って言われる前に
『ラブホ行こうよ。』って言っちゃったんだ。
比呂はちょっと考えてから『いいよ。』って言ってくれて、ラブラブ気分でラブホ入ったんだけど
俺、なんかちょっと調子悪くなっちゃって、足元とかもフラフラしだして
『・・顔色わるかったもんなー。大丈夫?』って、比呂に言われた途端に
気持ちが悪くなってトイレに駆け込んだ。

もともと少し気持ち悪かったんだ。でも比呂の顔みたらエッチしたくなって
吐き気をガマンしてたのね。トイレで吐いたら落ち着いたんだけど・・
洗面所でブクブクってうがいして、部屋に戻って比呂に抱きついて・・
口づけたら比呂はうけとめてくれて、俺、待ちきれなくて比呂のボタンをはずしてったんだけど
ボタンを全部はずしたら、また急にフラっとなって、そのまま比呂の体に倒れ掛かった。

比呂は俺をベッドに寝かせてくれた。

エッチしたいよ。せっかくベッドがあって密室で。誰にも邪魔されない。誰の目も無い。
でもふらふらして・・体がちゃんとしないんだ。悔しくて泣けてくる。
こういうときくらい全身で、比呂とじゃれあいたいのに。俺の全部で。
グズグズしてたら比呂が俺の頭をぽんってして撫でてくれた。
俺は涙目で比呂を見る。比呂が息だけの声で『大丈夫かー?』って俺に言うの。優しいんだ。

『ごめんね・・』
『・・・・なに?』
『・・・俺・・・間が悪いよね・・。』
『なんでだよ。』
『こんな時にこんな風に・・・。』
『しょうがねえだろ・・。』
『・・・・でもしたいよ・・。』
『・・・・・・。』

比呂は俺をなだめるように、ふふっとわらった。そんで俺の横にゴロンと寝転ぶ。
俺は比呂の体に抱きついた。比呂はそんな俺の背中を擦ってくれる。

『・・俺がいるときでよかった・・。お前、一人で倒れたりしないでよかったよ。』
『・・けど・・・。』
『いいじゃん。一緒にいられるし。まあ、若干環境はあれだけどなっ。』
『ばかー!!!』
『大丈夫。調子悪いお前をムリにどうこうするほどアレじゃねえよ俺は。』
『そんなことを言ってるんじゃないよー。もー・・・・。』
『まあいいじゃん。な。ちょっと様子みよう。疲れてんだよ、きっとお前。な。』
『・・・うん。』

俺は比呂とベッドの中。抱きしめてもらいながら安心して眠った。
とても幸せな夢を見て、ハっと起きたら30分以上たっていた。
比呂もウトウトしかけてたみたくて、俺が起きたらぼんやり俺を見て
『・・・大丈夫か〜・・・・。』ってかすれ声出した。

俺はコクンと頷いて比呂に抱きつく。

それから一緒にお風呂に入って、湯船に浸かりながらキス繰り返して
のぼせる前におふろを出て、ベッドの上でいっぱい抱き合った。
比呂は今日も俺をすごくすごく気持ちよくさせてくれたんだー。

帰り道でアイス買ってもらってコンビニの駐車場で立ち食いした。
比呂はゼロカロリーのファンタ買って、それを飲みながら俺に話しかける。

『那央。』
『なに?』
『お前、食い物制限とかしてんの?』
『・・・・・・・・・。』
『最近顔色悪いけど。』
『・・・・・・。』

俺は観念して打ち明けた。

『・・・だって・・・。』
『・・・・・・。』
『だって・・肩幅とか広くなったらヤだし・・・。』

・・女になりたいわけじゃねえの。でも比呂の隣にいるときは、ちょっとはかわいい俺でいたいの。
比呂にかわいいって思われたいから。
比呂は黙って俺の方をみていた。そのあと視線をはずして少し考える。
ジュースのふたをキュッと閉めると、俺の目を見た。俺はドキっとする。

『・・俺はちゃんと飯とか食って欲しいの。前にも何度か言ったけど、
お前が俺といることで、何かを気にして悩んで苦しんで
食いたい物をガマンして・・やつれてくのを見るのがつらいんだ。』
『・・・・・・・。』
『すごく嬉しいよ。思ってもらえて。俺は、那央の気持ちが全部嬉しいんだけど・・
でも、体のことじゃん。やっぱ心配・・だなーって思う。』
『・・・・・。』

俺・・比呂と一緒に食う飯はうまいけど、離れて食う飯は味気がねえの。
せっかく母ちゃんが作ってくれた飯だけど、比呂がいないと箸が進まないんだ。
恋わずらいの重症患者と化した俺は気がついたら体重がまた2キロ減っていた。
でも、。それでも足りない気がするの。もっと細くなって華奢にならないと
比呂に永遠に守ってもらえないんじゃないかって・・自信が出なくなっちゃうんだもん・・。

黙ってたら、比呂がこんなことをいった。

『今日・・お前の体を触ってるとき、関節が骨ばってて、なんか泣きたくなった。
那央はもともと細いんだから、ほんと頼むから飯とかちゃんと食って。』
『でも・・・。』
『・・・・・。』
『・・・・。』

見つめあう俺たち。比呂は笑わない。くちもとが動いた。
『お前が痩せていく原因が、俺のせいだと思ったら・・つらくて俺・・お前の裸みてらんない。』

俺はアイスをすっかり食べ終えた。比呂の言葉をしっかり考えた。
ああ・・どうして・・比呂はいつも・・まっすぐ気持ちをぶつけてくれるんだろう。



うれしい。



比呂の顔を見た。泣きたくなった。俺の口が勝手に動いた。『・・・おなかすいた・・・。』
堰を切ったように涙が溢れた。あーあ・・。前にもこんなことがあったな。
比呂は困ったような顔で俺に笑ってくれた。『うん。だよな。なんか食うもん買おう。おいで。』
俺の涙を拭いてくれて、俺の肩を叩いてくれた。一緒に入ったコンビニで、俺が選んだのはカツ丼弁当だった。
家に帰ってから食うんだと思ってたのに、比呂がレジでその弁当を温めてもらってんの。
そんでね。コンビニの近くの公園のベンチで、俺は比呂に見守られながらカツ丼をがっついた。

俺って比呂の嫌なことを色々と繰り返してばっかだ。
今回も比呂が見抜いてくれなかったら、拒食症になっていたかもしれない。
どうすれば比呂につりあうのか・・、今でも十分つりあってんのか・・
その葛藤が俺を苦しめて・・足元ふらつかせて心をグラつかせる。

比呂にちゃんと相談をしようかな・・。直接話すのはずかしいから・・日記で・・でもいいかなあ・・。
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