消えたい

今日から学校だった。初日から授業あって・・・そんで、朝は比呂とは会えなくて・・
麦に会ったから話をした。かいつまんで事情説明して、『比呂のこと・・たのむよ。 』っていったら、
麦は持ってたノートで俺をかるくぽこった。『そんなこといわれても俺は困る。』っていわれた。

『比呂が怒ってるとは限らないじゃん。あいつ最近忙しかったから、本当に調子悪かったんだろうよ。
比呂は比呂なりにお前の事考えて色んなことを言ってるんだから
自分の感情任せにあれこれ言い倒すのはやめな。』
『・・・・。』
『比呂はじっくり考えて話す子だから・・お前は比呂の言葉をちゃんと待ってあげなきゃ駄目じゃんね。
黙ってあいつの言い分を全部あいつのペースで話させてやんねーと』
『・・・・・うん・・。』

麦に話きいてもらえて、色々なことを言ってもらえて
俺自身、しっかり考えて、ちゃんと話そうっておもってたら
昼休みに比呂が俺のとこに来て『飯、一緒にくおー。』とかいうんだけど
右目に眼帯してんの。俺、びっくりしちゃって。

『どしたの?!』
『・・ああ、これ?これはー、体育でバレーやってて、顔面ブロックかましてしまった。』
『ばか!』
『・・・・・。』
『・・大丈夫なの〜? 』
『うん。腫れてるから眼帯してくれた。先生が。』
『そう・・・。』

俺は普通に話せて嬉しくて、一緒に俺の教室で飯を食った。

『・・・昨日ごめんね・・。』
『え?』
『俺・・・ほんとなんか、風邪のひき始めみたいな感じでさー。』
『・・・うん、いいけど、大丈夫?』
『ああ・・。帰ったら熱でててさー・・薬飲んで寝たら大分よくなった。』
『・・・・・。』

俺が悩ませちゃったせいで?って言おうと思ったとき、さっきの麦の言葉が過ぎって
俺は黙った。そして比呂を見る。
比呂はすこしぽんやりした顔で俺を見た後、話し始めた。

『・・・前に・・親戚の人に文句言ったって・・俺、いったっけ?』
『ああ。そんな話はきいた。』
『・・うん。なんかさー・・やっぱそれを引き摺っててさー。』
『うん。』
『人に対して感情的に文句言うって・・やっぱ嫌な気分だよねー・・
言った事に後悔はないんだけど・・相手の人はすげえ年上の人だったから・・
もっと言葉遣いとか・・気をつけたらよかったっておもってさー・・。 』
『そんなのしょうがないじゃん。辛くてたまんないから比呂は文句言い返したんだし。』
『うん・・。でも、やっぱ後々冷静になるとー・・。』

・・・俺も、そういう反省は腐るほどしてきた。
その後無言で飯に集中して、俺はぼそっと話をした

『比呂ー・・。』
『・・・?』
『ごめん。塾の子。俺・・あんとき比呂に電話して声聞けてうれしくてさ。』
『・・・・・うん。』
『で、電話切ってウキウキしてたら、あの子がすげえさみしそうに座っててさ。』
『・・・・。』
『ただ世間話しただけなのね。だけど・・・結局お前に迷惑・・・。』
『別に迷惑なんかじゃないよ。嫌な言い方されたわけじゃないし・・
悪い子だとは思わないし・・・嫌いなわけじゃないし。』
『・・・じゃあ・・・比呂はあの子のこと好き?』
『・・・・は?』
『俺よりもあの子の事が好き?』
『・・・・・・・。』
『・・・・・・・。』

馬鹿なことを聞いたと思ったけど・・・なんか少し嫉妬してしまったから
俺は口をとんがらせて比呂にいったんだ。

比呂はちょっとだけぽかーんとしたあとに、へへってわらってくれた。
♪んなわけあ〜るか〜♪って、すごいテキトーソングを小声でうたった。

比呂は放課後、念のため眼科にいくとかいって部活を休んで帰ってった。

俺はちょっと心配だったけど、久々の部活で汗を流した。
休憩のときに麦が比呂のケガの話をしてくれて
『試合中ずっとぼけててさ、いつか顔面いくだろーとおもってたら
西やんの全力アタックを顔面で受けて、ふらっふらだったんだよ。あいつ。』
っていわれた。

ボケてたのは・・きっと俺が昨日、色々比呂を追い詰めちゃったからだろーな・・。



愛情表現は人それぞれなんだろうけど、俺は比呂の愛がいっちばんすき。

2008/08/28(木) 22:12:07
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