恋占い 今日は比呂んち家の人が留守で、しかも学校が短縮だったから 5時には帰れて、そのあと比呂がバイトに行くのに間に合う時間まで 比呂んちでめちゃめちゃ甘えてきた。 家についたらシャワー浴びて、比呂に着替え貸してもらって 来る途中でコンビニで買ったパンツはいて ベッドに寝転んで、いちゃいちゃしてたとき、大きな比呂の手が目に入る。 『ねー。』 『・・・・えー?』 まだちょっとかすれる比呂の声。 『て、貸して。』 『なんで。』 『占いしてあげるから。』 『・・・・。』 黙って左手差し出して、ぽーっとした顔で俺を見る比呂。 ありゃりゃ・・眠くなっちゃったんですかー? 俺は『じゃ、うらないます。』っていいながら比呂の手のひらを見た。 花の手入れでついた傷がいっぱい。 手首にかすかに残る自傷癖の痕。 思わず見とれる俺は言葉をなくして、震える心の振動が 感情を揺らして涙が出そうになる。 『・・・・で?』 比呂の声ではっとする。 『え?』 『・・・うらない。』 『・・・・。』 『結果。なに?』 『・・ああ・・。』 俺はもう一度比呂の手をじっとみて、傷を撫でたり生命線を撫でながら 『・・相性200パーセント。2人とも長生き。一生ラブラブ。』 っていって、手にちゅっとして比呂に笑いかけたら、 比呂がすごく小さな声で『・・やった〜』っていった。 そのままゆっくりキス。上唇を甘噛みされて、俺は骨抜きになる。 お風呂上りのお揃いのいいにおい。濡れた髪。何よりあたたかいからだ。 声を押し殺して比呂を受け入れる。掠れる比呂の声が俺の耳のすぐそばで。 体のずっと奥のほうから熱い塊が溶け出す感じの 重苦しいくらいの快楽に耐えられなくて、比呂の首スジと鎖骨のとこに かじりついたら歯型がついちゃって ほとんど声になってなかったけど、『ごめん・・』って謝ったら比呂は 俺の髪を優しくぐしゃっとつかんで『そんなのいい。』って俺に口づけた。 耳の後ろの髪の生え際に、歯をあてたあと比呂は強く吸う。 俺の後先を考えて・・でも残してくれる愛の証だ。 俺は貧弱な素っ裸の体で、比呂に抱きついて息を乱しながら泣く。 その涙が比呂の振動で、ぽろぽろと頬を流れ落ちるんだ。 したあと2人でぐったりとしながら、夕日が天井を染めていく様子を眺めていた。 今日は8時から11時までバイトだという比呂。俺はその胸板に顔を埋める。 あーあ・・。離れたくないな。このまま一生今でいたいな。 目を閉じながら俺はおもった。時々比呂のデコにちゅっとした。 比呂は俺のつむじにちゅっとした。 時間が来て、服を着て、名残惜しくて部屋の中で手をつないで キスをして・・もいっかい抱きしめあって それでもすごく悲しくて、比呂に抱きついて何も言わずに泣いて そんな俺を比呂は黙ってぎゅっとしてくれて 低体温の比呂だけど 俺はとっても心地よくあたたかかった 満ちた幸せが足元に溢れて 花畑にでもなるような気がした 2008/09/09(火) 22:50:33 |
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