2008/10/4 (Sat.) 23:56:07

忘れたことなんか・・一日もなかったよ先生がいたから・・俺の今がある

あんな終わり方をしたけど・・だけど・・誰かを好きになるってことが、どんだけキレイであたたかいことなのか
先生と一緒にわかってこれたから、だから俺は・・那央を好きになれた。

大好きな気持ちは消えないし・・あの頃亜子先生にしてあげられなかったことを後悔したときもあったけど・・・
でもそんな気持ちに意味はないって・・後悔なんかで曇らせないで、キレイなまんま覚えていこうって・・
思って自分なりに区切りをつけたつもりだった。亜子先生を捜す俺の旅は終わって
那央との未来だけを考えて頑張ろうって・・おもってた。

あれだけ・・あれだけ捜しても見つからなかった先生と、何の気負いもなく出会ってしまって
最初は幻覚でも見てるんじゃないかと思って、吸った息を吐くことすら忘れた。
病院のホールみたいなとこに、2人で一緒に歩いていくのが嘘みたいで、信じられないんだけど
俺のことを『佐藤君』って呼んだその声が先生だった。

俺の大好きな先生の声だった。

先生と・・少しだけ話をしたんだけど・・彼女がいった『ずっと1人』って言葉は嘘だなって思った。
着せられたような服を着て、嫌いだって言ってた赤い口紅を塗って
髪をかきあげる左手の薬指に指輪のあとがついていたから。

幸せになってくれてるんなら俺はそれでいいのに。
一回ふられたそのあとで・・・ダメ押しでもいっかいふられるだけで
先生が幸せなんだったら・・俺は本当にそれでいいから
1人じゃないって・・幸せだよって・・そういって欲しかったのに

ああいう事を言うってことは・・先生は何を思ってんのかとか
考えても意味ない・・ヤメロヤメロって・・自分に言い聞かせるんだけど・・

目を閉じても目を開いても、心の中にこないだ会った亜子先生の疲れた顔が
やきついて離れないんだ。だけど何もしてやれない。



もうすぐ高校も卒業する。就職も決まった。
今なら・・今の俺なら・・って、しょうもないことをバカな俺が考える。


落ち着けよ。俺には那央がいるじゃん・・。
先生にも・・守ってくれる人がいる。多分そう。


俺たちは・・俺と先生は・・・
もうあの頃の俺たちじゃないんだよ。







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