看病

比呂んちおじちゃんたちが連休利用して、山梨に帰ってる。
最近頻繁に山梨とまりでいってるなーとおもったら、
おばちゃんのお兄さんだかが調子悪いんだって。

そんな話は前に聞いてたんだけど
この休みはテスト前だし、ゆっくりぬくぬくは出来ないなーって
ちょっと諦めてたりしたんだ。でも、勉強をえさにして会えたらいいなっておもってたんだけど・・

朝の9時ごろ電話鳴って、相手は比呂だったんだけど
俺が電話にでたら、バタンって音がしたの。俺びっくりして。
『比呂っ・・比呂っ!!!』って何度も読んだら、すっげー小さくてかすれた声で
『あたま・・いたい・・。』っていうもんだから、俺、マッハで紺野邸にかけつけた。

玄関の鍵は開いてて、比呂が廊下にうずくまってて
すごく頭痛そうだったのね。薬は?っていったら、飲んでないとかいう。

昨夜から急に痛くなって、でも、薬はキッチンにあるから
取りに行って頭痛いのばれたら、おばちゃんちが山梨行きづらくなるし
だからガマンしたんだけど限界で、おばちゃんちを送り出したらもう無理で
歩くのも痛いとか言って・・俺んとこに電話してきたみたい。
目も開けられないんだよ。かわいそう・・・。

比呂は頭痛もちなんだけど・・・ストレスからくるものみたいで
一年のときに自殺未遂っぽいことを起こしたんだけど
こういうのみると・・ほんとに辛いんだなーってわかる。

薬の場所は知ってたから、水と一緒にもってきて
薬飲ませてから比呂の部屋に行って、掛け布団をもってきて
廊下で座ったままの姿勢で、比呂を抱きしめて背中と頭をさすった。
そしたら比呂が、ふう・・って息を吐いて
『・・・いたい・・。あたま・・。』ってまたいうんだ。

『いたい?』
『・・・うん』
『どういうふうにいたい?』
『・・ズキズキいたい。』
『目とか開けられる?』
『・・・・まだ無理・・。』

息も少し乱れてる。

『ここでこのままちょっと寝な?』
『・・・・うん。』
『早く治ればいいな。』
『・・・でも、那央ずっといてよ。』
『・・・・・。』
『・・・・。』
『・・いるにきまってるじゃん。寝な。』

俺は比呂の髪を指で梳いてキスをした。

廊下で少し眠ったら、比呂はちょっとだけ頭痛が落ち着いたようで
そのスキに二階にあがってベッドに寝かせた。

寝不足とか、色々あったのかな・・・。

テスト前に、こういう理由で甘えてくるのは本当に辛いからだとおもうし
おばちゃんたちの前では無理して、俺の前では無理しないんだっておもったら・・
うん・・・。

俺は比呂のトクベツなんだな〜・・っておもっちゃった。

比呂の寝息が、苦しそうなかんじから、ゆったりした感じになって
寝顔も穏やかになったから、俺はベッドのわきで勉強をした。

時々痛みがぶり返すのか、つらそうな顔もするんだけど
そのたびに首筋やアタマを撫でてたら
比呂は少しだけ目を開けて笑う。

昼は食えなかったけど、夜には俺が作ったお粥とすりりんご食べてくれた。
今はまたぐっすり眠ってる。

比呂には痛いとこがいっぱいあって、大変だね。

アタマと胃と・・あとは・・こころ?

でも、痛いとこは全部俺がなでてあげるからね。
ノドがかわいたら、ジュースも持ってきてあげるよ。






2008/11/02(日) 01:04:13
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