今日、うれしかったこと。 部屋がまた移動になった。今度は個室。ナースセンターから一番近くの。 状況が好転したのかと期待したんだけど、特にそういうわけじゃないみたいで・・ でも・・うん。安定してるって事は、何より俺達の希望をつないでくれる。 面会謝絶でさ。結局会えないんだけどね・・。 看護婦さんが出入りする時に、そっと覗いたら、ベッドのとこのカーテンの隙間から、 比呂の髪の毛と、点滴が見えた。 今日は卒業式の練習で、久々にクラスの奴らと会った。 みんなも病院にいきたいんだけど、先生にとめられてるから・・ 電話じゃなかなか状況説明しきれなかったし・・話が出来てよかったとおもう。 練習が終わる時間をみはからって、浅井が顔を出した。 電気科のやつらがすげえ喜んでて・・うん。よかったとおもう。 で、さっきの話しなんだけど・・放課後さ・・病院行ってさ。 なんもできないし、会うこともできないのに・なんかやっぱ帰れなくてさ 坂口とか小沢とかとみんなで比呂の話をしてたんだけど・・ なんかロクな思い出がなくてさ・・笑っちゃうような話ばっかでさ・・・ 『あいつこのまま死んだら、友人の言葉、何いっていいのかわかんない!』って 坂口が笑ってさ・・なんか・・俺も笑えた。麦も久しぶりに笑ってくれた。 比呂が『死』って言葉から、確実に遠ざかってる証拠だとおもった。 医学上、比呂が今どの程度危険なのかわかんないけど 俺らにはなんだかそれがわかるんだ。だってずっと友達だったから。 そのあとロビーでジャンプとか読んでたら おじちゃんがジュース買ってきてくれてね。 比呂の今の状況を教えてくれたんだ。 俺らは知らなかったんだけどね。すげえ前進したんだよ。 痛みや光に対して、反応が見られるようになったんだって。 目は開けれないみたいなんだけど おじちゃんが『比呂』って呼ぶと、こくんって少しだけ頷くんだって。 精密機器をつけてるから、面会謝絶になっちゃってるけど 『みんなが来てくれてるよ。』っていうおじちゃんの言葉にも 比呂はこくんってうなずいたそうだ。 もしかしたら・・おじちゃんの見間違いかもしれないって言ってたけど 比呂は絶対頷いたんだと思う。絶対そうだと思うんだ。 おじちゃんの言葉がすごく嬉しくて、そのあと俺ら、病院の屋上に行って 飛び跳ねて喜んだ。公衆電話から連絡網つかって、クラスの奴らにその話を伝えたよ。 俺・・ 比呂が元気になったら、100倍返しで今の悲しみ分、甘えさせてもらうつもりだったけど、やっぱやめた。 頑張った比呂を、いっぱいいっぱい甘えさえてやるんだ。 不安な気持ちは消えない。好転してる分、反動が怖い。 だけど絶対に比呂は大丈夫なんだ。比呂が俺をおいて死ぬわけねえもん。 バカなことかもしれないけど、でも俺は心からそれを信じる。 だってそれ以外の展開なんか死んでも想像したかねえもん。 一緒に笑う日を夢見る。抱き合ってキスできる日を夢見る。 今は夢だけどスグ現実になる。現実になったら何度も繰り返したい。 声聞きたい。名前呼んで欲しい。 あのボケた顔でおぎやんとかヒノエをネタにして 俺をわらかして欲しい。 俺、もっとがんばらねーと。うん。 2009/02/26(木) 23:44:50 |
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