すーきーだー

面会謝絶解除ということで、麦たちが見舞いに来た。
売店で岸先生がアイスおごってくれたから、みんなで食った。先生はコーヒー。
『先生、これって賄賂にならないの?』坂口がハーゲンダッツ食いながら言う。

『賄賂っつーのは、普通生徒とかが俺になんかよこすことだろ。
なんかよこせよお前ら。なんか出せ!』
『はははは。』

みんなで笑いながら食うアイスはうまくて、比呂もおいしそうに食ってるから幸せ。
目が両方一重で・・目じりが赤い。泣いたのかな・・・。大丈夫かな。
でも笑い声が・・いつもの比呂だ☆

『せんせー、そういえばさ〜比呂ちゃんの卒業証書どーすんの?』
坂口が鼻の頭にアイスくっつけた状態のボケ顔で岸先生に聞く。

『紺野が退院したら校長室か会議室で渡されると思うよ。』
『へー・・。それって俺らいってもいいの?』
『いいんじゃないの?どうせ暇なんだろ。一応きいたら?先生とかに。』
『あんた先生じゃん。』
『・・・っていうか校長に聞けよ。』
『校長に聞けよってなんだよ先生。』
『だって一番偉い人に聞きゃいいじゃん。』
『なんだそりゃ。』
『俺らが卒業したからって、気〜抜いちゃだめだよ。』
『抜いてね〜よ〜っつか、今日ピカ工面接日なんだけど。』
『がははっ。じゃなんでここにいんの?先生教師じゃん。行きなよ学校。』
『だからー・・朝のー送迎の車の誘導終わったら帰っていいって言われたの。』
『なにそれ。戦力外通告。』
『お前と一緒だよ。』
『え?どういういみ?』
『掃除でモップを任されない件。』

『何でその話しってんの?!』



坂口と岸先生は、しばらく二人でしか通じない会話で盛り上がってた。
そんな二人を放って置きつつ、残りのメンツで話をする。
『比呂、飯食ってるか?』
『ああ。うん。今朝はブロッコリー食ったよ。』
『・・・(いきなりそこか)』
『3つも食った、しかもマヨなしだぞ。どうしてくれるんだ。』
『しるか。』

色々はなしたいことはあるんだろうけど・・聞きたいことは山ほどあるんだけど・・
それに触れる勇気がみんななくってさ・・俺や加瀬は黙って話し聞いて笑ってたl

そのうちに小沢が 『アイスのゴミかしな。すててくるから。』とかいって
ゴミを回収してくれて捨てに行った。加瀬が『俺も手伝うよ。』っていって
一緒にでていったけど、何を手伝うのかさっぱりわからん。

岸先生と坂口は、いつの間にか話題を変えてて
『潤る茶の中の13種類・・全部覚えた?』
『・・・・。』
『俺は覚えた。』
とかいって、先生が一生懸命茶の中の素材を暗唱してた。

でもなんか・・こういう普通な感じ・・ひさしぶりでいいなあ・・っておもった。
比呂の話もすっごくおもしろいし・・うん。心のどこかで俺は安心をする。

みんなが帰った後、比呂がね・・疲れたみたいで眠くなっちゃってね。
俺も眠いから俺はベッドにもたれかかって、少しだけ寝た。
俺のほうが先に目が覚めて、比呂の寝顔をのぞきこんだら
比呂は寝てんだけど涙がでてて・・また色々と考えてるのかなって
思うと胸が締め付けられる。

比呂が悲しい気持ちでいるとつらい。
でも・・それでもそばにいてくれるだけで幸せだ。
比呂が悲しいのに幸せだなんて、おかしいことかもしれないけど・・
悲しい気持ちは支えられるけど・・命はどうにもできないことだから

いてくれてうれしいなあと思う。




うれしいよっ。早く結婚したいぜ。




2009/03/05(木) 23:31:20
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