今日も一日がんばって・・・

・・比呂に会える日に、すこし近づいた。今日の電話。

『・・・比呂?』
『うん。』
『自分の部屋?』
『うん。』
『・・・今日は仕事どうだった?』
『今日は普通・・・。あ、でも、初めてギフトが出たよ。』
『ほんと?!』
『うん。仕入れた雑貨と多肉をアレンジして、店に出してたら
高校生の子が買っていった。』
『へえ〜・・・。すごいじゃん!』
『・・・うん。・・ちょっとうれしかった。』
『わあ〜!!!』

なんか、今日の比呂はちょっと元気。

『那央・・・。』
『なに? 』
『実は今日、俺、独身なんだよー。』
『えー?秋山さんは?』
『クロール戻った。』
『え?!もう?』
『一旦ね。バイトがやめちゃったんだって。で、人足りなくってさー。』
『まじで?大丈夫なの?比呂。』
『うん。大丈夫。いっぺんに人が来るわけじゃないし。』
『・・・だけど、心細いね。』
『・・・うん・・。でもいい。那央が電話してきてくれたから。』
『・・・・・・ありがとう。』
『・・・・・・那央?』

・・・・そんな俺は、今日はちょっと弱気。
何気に交換日記を読み返してたらさ、色々な感情が爆発して
会いたくてたまんなくなっちゃってさ・・今すぐ比呂のとこまで飛びたい。

『・・・・さみしいよ・・。』
『・・・・・・。』
『・・・・俺、今日・・駄目だ〜・・・・。比呂・・会いたいよ。』
『・・・うん。』
『毎日俺ら、順番こっつで駄目っこモードになっちゃうね。』
『・・じゃあ、明日は俺の番だねー。』

二人しかいないから・・今日が俺なら、明日は比呂だ。
シーソーのっかってるみたいに、俺が下がれば比呂が上がって。
ぎったんばったん繰り返してー・・永遠に続きそうだ。
二度と会えないような気分になる。

だから余計に悲しくなるんだ。

『那央ちゃん。』比呂の声でわれに返る。
あー・・もったいない・・せっかく比呂とつながってんのに
マイナス世界に入り込んでたや。

『・・今日も一日おつかれ。会えないのはつらいけど
とりあえず今日も終わったねー・・。 』
比呂の声に、ふふっと笑う。

すっごい寄り添ってるよ。心。わかるかなあ・・。

『あー・・そうだー・・那央〜・・』
『なに?』
『こっちくるときに交換日記もってきてよ。』
『えっ?!!なんで?!!!』
『前にお前が書いてくれた日記で、・・どのページもスゲエ好きなんだけどさー
特にだいっすきな日記があって〜・・読み返したいから』
『え?いつの?』
『それは内緒、教えない。いいからもってこいよ。忘れんなよ。』
『・・・おしえてよー・・。』
『駄目。』

ちぇーっ。教えてくれたっていいのになっ。
でも、そのあと5分粘ったけど、比呂は全然教えてくれなかった。
こういうとこガンコなんだもんなー・・。

電話きってから、交換日記の自分の記事を読み返した。
比呂に気に入られてる日記って、どれだろう・・っておもって。
でも、読んでくうちに・・どれだけ俺が
比呂を好きだったのかってことを、あらためて思い知らされて

高校生の頃の俺が、本当に一生懸命恋をしてくれたから
今の俺がいるんだって思ったよ。ほんとに。

今の俺が頑張って、この幸せを未来につなげたい。
遠い未来のことはわかんないけど、でも1年後、2年後・・
せめて5年後くらいの俺たちが、つないだ手を離していないように
努力して・・恋だけじゃなくて、たくさんの夢をしっかりと見て
毎日毎日、明日の俺にバトンタッチしていきたいなあ。

今日の俺が、明日の俺に託したバトンは恋の色。
恋愛ボケだよ。サイコーじゃん。
だって春だもんねー。ピース。

2009/03/28(土) 00:28:12
NEXT