2008/1/17 (Thurs.) 22:01:37

比呂に、嘆きメールを送ったら、散歩に誘ってもらった。そのときに、色々な悩みを相談する。

比呂は俺の悩みの中の『涙腺が弱すぎて困る』ということが
すっごく気に入ったらしく『じゃあ、修行しよう。』っていってきた。

『なんの?』     
『泣かない修行。』

比呂は立ち止まる。

俺の顔をじっとみて、
『今から3だけ、泣くのがまんな。』
『でも、そんなの簡単じゃないの?』
『さあどうかなー。じゃ、俺の顔見て。』


比呂の顔を見た。比呂の表情が優しい。泣きたくなった。
好きすぎて、涙がこぼれそうになる。

口がへの字に曲がった。すると比呂が数を数え始める。

『はい。じゃ、3だけガマンしろー。いくぞー。』
『・・・。』
『いーち・・・にー・・・。』

比呂は、『さんっ』っていいながら、俺を強く抱き寄せた。
比呂に抱きしめられて、俺はわんわん泣く。理由なんかもう、わかんない。

比呂はいるし、抱きしめてもらえてるし、恋は順調なのに、俺は泣く。
好きだよー・・って気持ちを思い描いたら、ただそれだけで、涙が止まらないんだ。


俺を抱きしめながら比呂が
『もー、やめやめ。みてらんない。ガマンしないで泣け。いいよそれで。』
髪を撫でて、頬にキスをしながら、俺の事を抱きしめてくれた比呂。

やさしいな。あったかいな。ずっとかわらずにいてくれる。

泣かない修行は失敗してしまった。

だけど、帰り道繋いだ手は、とてもあたたかくて照れくさくて、
こんどは何の修行をしようかなって考えた。比呂の隣で。
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