2008/1/18 (Fri.) 17:00:35

『外掃除、またぬっれるなー。』
『僕もだもー。紺野ちゃん、同じ班ひさびさねー。』
『そうだよねー。どんだけぶりだっけ?』
『わすれた。』
『俺も。席は近所なのにねー。』
『そうだね。俺、結構ユッキーマンと一緒になること多いよ。』
『先生の班編成の基準って何?』
『おそらく僕の予想では、気まぐれですね。』


いきなり雨が降ってきた午後。体育の授業あとに外掃除だったから
体操服のまま掃除場所に移動した。紺野と2人で廊下を歩く。

俺、この子の事好き。

麦ちゃんに片想いしているんだけど、紺野は俺にとって憧れ・・・っていうか・・
尊敬する人って欄に、真っ先にかきたい、そんな存在。

入学してすぐに同じクラスになって、一番最初に喋ったのが紺野。
教室はいって、偶然目が合って、そしたら声をかけてきたんだ。
『ねえ。お前って、幸村なんとか?』

紺野と出会って生まれて初めて交わした会話に、ユッキーの名前がはいってたってのが
俺の中で奇跡的な物語でユッキーがとてもうらやましかったりするんだけど。

それ以降、目が合うと、たびたび話をするようになった。
比呂は、電気科にいた浅井ちゃんと、とにかくやたらと仲がよくて
暇さえあれば科が違うのに、一緒につるんで遊んでた。
ちなみにその頃のユッキーといえば、小沢君のツレ?みたいな印象しかない。

で、俺らが劇的に仲良くなったのは、一年のときの体育祭。
ムカデでコケて落ち込んでた俺の背中をバシって叩いてきて、
『選抜リレーで絶対勝とうな。』って声かけてくれたんだよね。
俺と比呂はクラスの代表だったからさ、もうこりゃ、頑張るしかねえって。

俺、中学までは、ずっと学校で1位だったの。足の速さがね。
それが、高校はいったら、紺野に全然かなわないじゃん。
中学の頃、椿平の佐藤ってやつがすごく早いって言う噂は聞いてたんだけど
そいつと紺野が同一人物だって知ったときは、まじのけぞったっけ。

体育祭の一件で、すげえ親密な感じに俺らなっていってさ。
部活の関係で予定あわなくて、なかなか外では遊べなかったけど
電話したり、メールしたり、あとは学校でもちょくちょくあそんだりした。

今では相談事とかは。とりあえず比呂に持ち込むようにしてる。
比呂は、俺が誰かともめてるときには、俺の味方になって力をくれるし
俺がずるいこと考えてれば、殴り倒してでもしかってくれるし、
俺が一人で落ち込んでれば、

スリーパーホールド決めてくるし・・・・



とにかく一緒にいて、不快に思ったことが一度もナイ。不思議。
麦ちゃんの事が好きな俺は、比呂に嫉妬の一つでもしそうなものだけど
比呂を好きになった麦ちゃんは、とても恋愛センスがいいとおもう。

俺はいつも寝ぼけたような顔してて、人の意見とか、何気に気にしちゃう人種なんだけど
比呂みたいに、ちゃんと自分を持ってて、男気のあるそんな人になれたらいいなって心の底から思う。


他人に色々求めない比呂。だからこそユッキーとも付き合っていけるんだろう。

泣き虫でもいい。嫉妬深くてもなんでもかまわない。
俺の事を好きでいてくれたらそれでいい。俺がお前を絶対守るから。

俺は比呂のユッキーヘの態度を見るたびにそんな副音声が心の中をよぎる
愛されていいなー・・ユッキーは。俺の片想いなんか、最初からかなうはずがないからな〜。

ライバルがそんな比呂だもん。それも、比呂が麦ちゃんを好きなんじゃなくて
麦ちゃんが、そんなすごい比呂を好きなんだから俺なんか無理なんだよね。

かなうところが一つもない。

それでも俺、紺野の事が好きだ。


意味不明だね。
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