らららら〜♪


比呂大好きだっ☆



今日、比呂がきてくれた。
ずっと俺、無視してたのに、会いにきてくれたーー!!
やったーーーーーーー!!!!!!!

咳とかとともに、涙まで出てきたから、布団にもぐってシクシク泣いたら
玄関の呼び鈴が鳴って、無視してたら、ちょっとして
部屋の窓が、カツンってなるから、ビックリして飛び起きたら
窓の向こうに比呂が見えて、びっくりして窓を開けた。

『・・どうしたの? 』
比呂は俺の顔見た途端、目に涙浮かべて、はーって溜息をついた。
『・・や・・。なんでもないなら・・それでいい・・・。』
『・・・・・ひろ・・。』
窓を開けたら、外はまだ雨で、比呂は傘を庭に放り投げて
庭木をのぼってきたらしい。手が枝で切れてる。
・・・・そんなに心配してくれたの・・・・?

『玄関開ける。だいじょぶ?降りれる?』
俺が言うと比呂は、こくんとうなずいて、木から飛び降りた。

ぎゃーーーーー!!



結構高いのに飛び降りて、こっちのほうが腰ぬけた。
ふらふらになって、階段降りて玄関あけたら比呂が俺を抱きしめようとしたんだけど
寸前で動作をやめる。
抱きしめてくれないの?俺を嫌いになったの?っておもって、
悲しい顔したら、比呂が手の血を制服でぬぐって、俺のデコに手をあてた。

『おまえ・・熱あるじゃん。』

・・・・うん。恋の病だから。

玄関を閉めた比呂。リュックをしょって、マフラーしていて
学校で最後みかけたときの姿そのもの。
『学校帰りなの?』ときいたら、ふふっとわらって、『違うよ』という。

濡れた制服を脱ぐと、今度こそ比呂は俺を抱きしめてくれた。
外の冷たい空気と雨で冷やされたからだを俺の熱があたためてく。
頬を摺り寄せて、そのまま位置をずらしていき、くちづけ。王子様の口づけ。

濡れた髪。サイコー。気が抜けた俺は、そのままブラックアウトした。

気がついたらベッドの上にいた。
比呂は、部活ジャージに着替えてて、俺の大好きなハーパン姿だ。
比呂のひざ、大好きなんだよ。俺。

視界がはっきりしてきたら、俺の顔の周囲には俺の大好きなぬいぐるみがいっぱいおいてある。
俺の部屋中からかきあつめて、枕元に全部置いたらしい。あっほ!

比呂は俺の髪を撫でていた。

『比呂?』『ん?』
『ごめんね。』『・・・・・。』
『浮気だなんていってごめんね。』『・・ああ。』

・・・あれ?考えてもいなかったことが、口から出た。

その言葉をいったとたんに、涙がぐわーーーっとでてきて、しゃくりあげて泣いてしまった。
そしたら比呂が、すっごい優しい目で俺を見るの。
『・わかった・・。いいよもう。ありがとう。』お礼言われた。言われたら余計泣けてきた。
やっぱ比呂は、浮気とか言われたのが嫌で怒ってたんだ。

俺、ほんとはまっさきにその言葉が、比呂を怒らせたのかなって思ったの。
でも、それが理由だったら、困ると思って・・・・。だって、年中それをいっちゃってるから。

俺、やきもち焼いちゃうの。極端に言うと、比呂以外の存在はみんな敵なの。
授業中、比呂がぼんやり眺めてる黒板にすら嫉妬しちゃうの。
大好きで大好きでたまらなくって・・・・俺だけみてて欲しいの。俺だけに興味もって欲しいの。
じゃないと、どんどん俺には敵が増えて・・つまんない俺は、日々負けていくような気がして。

比呂は、俺を安心させてくれるような言葉をいっぱいくれる。
そういうタイプの子じゃないのに、付き合っていく上で、そういう風にしてくれるようになっていった。
俺のためを思って、自分のポリシーみたいなものを、捨ててまでそうしてくれてんだと思う。

なのにね・・

今言われた『好き』に対しての、安心持続時間は長くて10分くらいなんだ。
キスあとの安心持続時間は30分くらい。エッチで24時間くらいかな・・。

体に残るあの気だるい甘さが消えちゃうと、また不安になっちゃう。

『俺に浮気とかいわれるの嫌なんだよね。』『ああ・・うん。』
『なんども言われてるのに、なおせなくてごめんね。』『・・・・うん。』

髪を撫でたあと、またキスをしてくれた。
ベッドに横になる俺は、彼に抱かれたくてたまらない。

『那央、いいものやるよ。』比呂が突然、そんなこというから
『フェラしていいの? 』って思わず言う俺。

『はあっ?!!!』

露骨に動揺する比呂。・・・・かわいい☆

『びびるだろ・・。いきなり言うな。』
なんかテレながらリュック漁る比呂。中から出てきたのは、苺のちょこだった。
やった!えさ!えさ!

『餌だ☆』
『えさだよ。おまえなんかくったの?』
『くわない。』
『俺も食わない。』
『えへへ。』

俺はベロ出して、へへって笑う。比呂が、すんごく幸せーって顔で、笑い返してくれる。
うれしいな。うれしいなあ!!

もらったちょこを、むしゃむしゃ食べながら、俺は比呂に聞く。
『どこかによってからきたの?』
そしたら比呂が、俺のまくらもとに、頭をこてんとあずけて、話しだした。

『家ー・・。一旦帰ったんだけど、部屋に上がって、そのままのかっこで正座。』
『えー?』
『なーんもやる気になんなかったの。で、ひたすら考えて。』
『・・・・・。』
『で、きた。おまえのとこに。途中でコンビニによって菓子買って。』
『ってことは、もっと他にもお菓子あるの?!ちょうだい!』
『ばか。あとは俺んちの餌置き場用!腹減ってるなら、別のもん食え!』
『えー!!!!』
『食えるものなに?買ってくる。』
『ない。そばにいて☆』
『・・・・。』

あー。甘える。すっごい楽だー。へんな会話だな。のんびりー。
今、俺の背中には羽が生えたな。一気に落ちてた気分も舞い上がる。
比呂のそばには上昇気流が発生していて、俺はそれにのってふわふわ浮かぶ。
だから離れたら駄目なんだよね。自力じゃ浮かぶことはできない。
俺の羽なんか、貧弱だから、目印程度なの。俺は比呂の特別だよって。


寒い体が俺の部屋の暖房で温まったらしい比呂は
もう眠くって限界!って感じ。だから一緒に寝ようよっていった。
比呂はちょっとだけ考えた後、俺の布団に入ってくる。

比呂の手が俺を抱き寄せる。うっとりとするようなキスをした。

エッチをしたかったんだけど、俺がたまに咳き込むから
脱いでヤるのはガマンする・・って言われた。服着たままで、手とキスだけのえっち。
ひろがね、キスの途中で、したくちびるとか上くちびるを
触れさせたまま、かすれた声で、俺に話しかけるのが大好き。

今日は、俺が風邪気味だったから、
『大丈夫?』
『痛くない?』
『・・すっげ・・きもちいい・・・。』
って、超やさしくって、超どきどきした。

一回だけ射精をして、ますます気だるくなった比呂に
抱きつきながら、俺は比呂に問いかけた。

『ねえ・・。』
『なに?』
『・・浮気って・・・疑われるのが・・嫌なの?』
『・・・・・。』
比呂は、体をズラして俺に目線を合わせた。

『疑われるとか、そういうことより、俺ら2人のあいだにその言葉が
出てくるのが嫌。・・お前の口からそういう言葉が出るのが苦手。
冗談ならいいけど、でもやっぱ、あんまりいって欲しくない。』
『・・・・。』

どきどきする。誘導尋問しちゃえ。

『・・・・それって・・・大好きな俺に、浮気って言葉を言われたくないってこと?』

比呂は、大きく頷いた。

『そんな言葉を言う時間あったら、もっと他の話をしてほしい。』


・・・・・比呂・・・。


いつも一人でこのベッドに寝てて。毛布かけても、何しても寒かった。
毎晩、シーツの冷たさに泣けて、比呂のぬくもりが恋しかった。
今日はあたたかい。比呂の体温はすっかりシーツや布団から消えちゃったけど
体が覚えてるぬくもりが、俺を芯からあたためてくれる。

薬も飲まないのに、頭の痛みとか、咳とかが全部消えちゃったよ。
あー・・すっごいハッピーだ。


今日は夢でも比呂に会えそうだな☆☆☆


2008/01/23(水) 23:38:46
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