大好きだよー・・・


今日、俺・・学校の階段から落っこちて・・昼休みだったんだけど・・
ちょっと俺、脳震盪みたくなって意識もうろうとしたらしいんだ。

俺は屋上で小沢と昼ごはん食べた後で、教室に戻ろうと思ったときに、
一段目で踏み外して・・このまま死んでもいいやーとおもったけど・・・
小沢がさ・・あわててさ『比呂よんでくる』っていうからさ・・・
もう別れちゃったの知ってるのに、なんで比呂を呼びにいくのー・・とか
ぼんやりしながら、そのまま冷たい床に倒れこんでたら
『那央!!!』って声と、階段を駆け上がってくる音がして

そしたらね・・・・比呂だったんだ・・・。

俺のとこまで走ってきてね・・頬を触ってくれたんだ。
『那央!どこ打った?大丈夫か?! 』ってすっごく慌ててくれるんだよ・・。

涙が出てさ・・・。すごく涙が出てさ・・・・。
そのまま俺、抱きついたんだ。それで、わんわん泣いたんだ。
比呂、俺をぎゅっと抱きしめてくれた・・・。
頭とか、背中とか・・とにかく沢山擦ってくれて

『大丈夫かよー・・お前はー・・。足踏み外したのかー?』
『・・うん・・・び・・・びっくりしたよー・・』
『そりゃ驚くだろー。あっほだなー。ほんと大丈夫か?』
『痛いよー・・。』
『どこが痛いんだよ?』
『ここと・・・ここと・・』
俺は頬と腕と腰を擦りながら比呂をみる。
『保健室行こう。なんかなってたらヤバイから。』
『やだ。』

やだっていって、比呂に抱きついて、勝手にキスした。もういやだよ。
『俺、比呂と一緒にいられないなら・・今死ぬ。だから保健室行かない!!!』

そしたら・・・比呂が・・溜息ついて・・『一緒にいられるだろ。友達なんだから。』といった。
『友達じゃヤダ。』っていったら、抱きかかえられて、肩に担がれた。

『どうしようもねーなー。おめーはよー。』といいながら、俺を担いで、階段を下りる比呂。
そのまま保健室に連れて行かれた。シップを貼られて教室に戻る。

教室にいったら、小沢がいた。『大丈夫?』といって寄ってくる。
『お前のとこまでいったんだけど、比呂といい感じだったから、そっと戻ってきた。』
とかいうの・・・。・・・・いい感じなんかじゃなかったよ。
俺が、状況を説明したら、はははって笑って、『あんたたちらしいね』といわれた。


午後は卒業式の準備があって・・俺は送辞の練習をした。
俺んち学校の生徒会は卒業式が、正式な引継ぎの日なんだ。
結局、『やる』っていっちゃった。生徒会長・・・。
比呂に相談したかったな・・・。

小沢にしか言ってなかったから、卒業式の予行練習で、
俺が新会長になるってしったときクラスのみんながビックリしてた。
みんなが『ユッキー、会長なの?』とか比呂に聞いてたんだけど
『・・俺も初めて知った。』って比呂がみんなに、さみしそうにいってたっけ。

比呂に意見も聞かずに決めたのは、久しぶりの事のような気がする。
だけど・・比呂には意見を聞かなかったけど
比呂の生きる姿そのものをみて、勇気をもらって、俺はその決断をした。

結局俺には、比呂が必要不可欠だ。

体育館が卒業式モードになってるので、部活は休み。
比呂と一緒に帰りたかったけど、比呂はノガミ先輩となにやら話をしていたから、
俺は近くを通りかかった小沢捕まえて一緒に帰った。
昼休みの時の比呂の様子を、小沢が教えてくれた。

『俺、最初・・・教室いったら比呂がいなくてさ、廊下にでたら
2組からホウキもって比呂がでてきたの。・・で、俺、ダッシュしすぎて
息がおかしくてさ、何もいえなかったんだけど・・
そしたらさ・・比呂が手に持ってたホウキぶんなげてさ『どこ。』っていうの。
事情も聞かないで。・・だから俺、屋上の階段って・・それだけいったんだけど、
屋上・・っていったときには、もう比呂が走っていっちゃってたよ。ははっ。』

・・ははっ・・・じゃねえよ・・・

『すっげーはやかったろ。お前の名前も出してないのにさ・・
何でわかったんだろうな・・・。やっぱそれって、愛の絆か?』

・・・比呂・・誰がどうしてどうなったかも聞かずにあそこまできたの?
『那央!』っていってたよ・・・。俺の姿が見えないうちから
俺の名前を何度も叫んでたよ・・・。
『那央』って・・・。



さっきメールで
<付き合ってください。
って打ったら
<うるさい。絶対ないです。
ってレスがきたから

<なんで?
って、しつこく返したら
<浮気ものは知らん。
って・・・。・・きゅんときて・・
<好き。
って打ったら・・
<うるさい。
ってかえってきたから

<もう嫌いになったの?俺を。
って根性で粘ったらね・・


<お前はずるいよ。
って。


<こんな夜に、そんな風に
<メールで俺を振り回すなよ。
<終わったことだし、お前は他のほうで
<始まったんだろ。そっちを大事にしろよ。

って・・・。

<俺にだって覚悟がいった。
<それはもうじゅうぶんに話したはずだよ。
<俺たちは二度と付き合わないし
<お前は、その子を大事にするっていっただろ。
<自分のした事を簡単に忘れるなよ。
<その子にだって気持ちはあるんだぞ。

・・・・こたえた・・。ぐさっときた。
わかってるけど・・・でも・・・ちゃんと断ったし、ちゃんと謝ったよ。

<彼女には謝って、納得してもらった。
<俺には比呂しかいないよ。大好きだもん。
<ほんとに、比呂しかいないの。ごめんね。
<考え直してほしいよ。大好きだよー・・。



来た返事は、たった4行だった。

<考えは変わらない。
<ずっと前から俺は変わらない。
<だからどうにもならない。
<じゃあもう寝るから。


電話をかけてみたら、比呂は電源を切っていて・・・


<ずっと前から俺は変わらない。

って・・どういう意味なんだろう・・・。


2008/02/28(木) 23:33:44
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