なんとなく。


ただいま。話し合ってきた。

『・・俺、ひどいことしちゃったから、あの子のこと・・大事にしていくよ。』
『・・・・・・。』
『付き合うとか、そういうんじゃなくってさ・・・。』
『・・・・・・・。』
『友達?・・みたいなかんじで・・。あの子が次に誰かを好きになるまでさ・・。』
『・・・・・。』
『・・・・・・。』
『・・・・・ああ・・、うん。』
『・・・ごめん・・・。やっぱなんでもない。』
『なんだよそれ。』
『だって、比呂、あんま嬉しそうじゃないから・・・。』

・・・比呂の反応は、予想通りやっぱあんまいいものじゃなかった。
ふーってためいきついて、目をこすって、コーヒー飲んで、俺をまっすぐ見た。

『そりゃうれしかないよ。だって、女の話だし。』
『・・・・。』
『俺には余力が残ってないの。使い果たしたからな。こないだのあれで。』
『・・・・・・。』
『・・・お前の口から、女の話題がでるの、俺、ほんとーにヤだから。』
『・・・・。』
『・・・・だけど別に、お前を責めるつもりはないよ。』
『・・・・・・ほんと?』

・・・俺は比呂を自信なさそうに見つめた。
比呂は、困ったような顔でサニマの天井を見ている。
テーブルの下で、比呂の膝を、つついたら、その手をギュッと握り締められた。

『ほんと。お前が決めたことなら、俺はガマンする。』

・・・・もう・・・。

俺は、にこっと笑って、不機嫌な比呂の顔を見る。
今度は絶対目を合わせない比呂。テーブルの下で俺の手を離さない。

『浮気はもうしないからね。』 
『あーたりまえ。』
『・・・あたりまえなのかよ。』
『あーそうだよ。』
『そうなの?』
『そうだよ。浮気なんか絶対もうない。お前はずっと、俺だけでいいの。』
『・・・ほんとにー?幸せにしてくれんの?』

目があった。むくれた比呂が、俺の顔をみて、きっぱりいった。

『するよ。してみせるよ。絶対。』


・・・・むすっとした顔で、そんなことを言う比呂。
俺は顔が勝手に笑った。目の前にいる子供みたいな比呂。

俺は幸せだ。

帰り道で、何度も何度も比呂に好きっていい続けたら
比呂の機嫌はいつの間にかなおって、街灯から外れた暗がりで
とてもかわいいキスをした。

比呂が俺の手を引っ張って暗がりにつれていってさ・・
指を絡めて、じっとみつめるの。おねだり顔でみつめんの。

『ふぇらしてほしいの?』『ばか!ちげえよ。』
『じゃあ・・なに? 』『・・・。』

空気読めない俺に、比呂はキスをする。相変わらず両手は指からめあって。
ちゅっとしては、ふはって笑って、ついばむように口づける。
比呂の顔が、どんどん嬉しそうな笑顔になってくの。

今日も幸せ。
すごく幸せ。


浮気するしないは、俺の問題なのに
『絶対ない』なんていう比呂、かわいい・・?

帰ってきた俺は、ベッドに寝転ぶと
自分の両手指を絡め合わせて、比呂のぬくもりを記憶から引き出す。
少しだけ幸せ貯金が貯まった感じだ。

まいにちー・・好きだよー。愛してるよー。比呂ちゃん☆
今日もありがとう。いっぱいありがとう。いっぱいいっぱいありがとう、幸せだった。

最高彼氏。絶対離れないからね。


2008/03/05(水) 23:22:39
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