雨降り


比呂と一緒に・・・・比呂のお母さんのお墓にいった。

今朝、部活があって、そのときに比呂に
『俺を産んだ人の墓にいきたい。』っていわれて、だから俺、
『ついてく。』っていったのね。

比呂を一人で行かすのが怖くて。

比呂は自分でつくったカーネーションの花束を用意してあって
それをもって電車に揺られて、椿平にいった。
比呂のお母さんの墓は、綺麗に掃除されていて
比呂は花を供えると、手を合わせて目を閉じていた。

比呂は泣かなかった。

帰りの電車で、比呂はずっと黙って外の景色を見ていたから
俺はさみしくなって比呂に必死に話しかけては視線をつかまえる。

駅について、電車を降りて、改札をぬけたらそのまま二人で
ラブホに行って抱き合った。
黙って沢山キスをして、俺を抱く比呂にしがみついて
何度も比呂の名を呼んだ。

比呂の中で・・・どんな心境の変化があったのかわかんないけど
している間・・いつもよりも多く比呂が俺をぎゅーっと抱きしめて
キスを沢山した。ゆっくりと深く。
頬を摺り寄せた。俺の肌を擦り、そしてまたキスをする。


この時期に贈るカーネーションの意味ぐらい俺だってわかる。


わかるから・・わかるからこそ心が痛んだんだ。


何か大きな心の傷と、向かい合おうとしている比呂。
がんばれ。


2008/05/10(土) 23:59:26
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