2008/5/26 (Mon.) 23:27:39

好きな人が・・体を少しだけ傾けて、俺の視界にはいってくる。


待ち合わせもしていないのに、通りがかりに俺を見かけたからって
それだけのことで俺のそばに来てくれる


『どうしたー?調子悪い?』
『ううん。疲れて立てないだけ。』
『大丈夫かよ。・・・・ほら。』

俺の好きな人の差し出した両手。
俺に向かって手のひらをさしのべる。
俺はあたりまえのようにその手をつかむ。


ぐんっと強い力で俺を引っ張りあげて、俺をきちんと立たせてくれた。
ちゃんと立ち上がって、目を合わせたら、彼はふふんと笑ってくれて、
そして大きく一回伸びをした。

その姿に見とれる。


『教室いくんだろ?』
『うん。』

俺は何も頼んでいないのに、大好きな人が俺の隣にいて
歩幅をあわせて歩いてくれる。同じスピード。いちに・・いちに・・。

会話などなく、なんとなく照れくさく
ちらっと横顔をみてみたら、目があって・・無言で微笑みあった。


両思いって不思議。
一方的に好きになることは、とても自然なことだと思うけど
心から愛し合えるって、やっぱ奇跡だと思う。


ただ俺がそこにいたからってだけで
横道それて体育館の前まで歩いてきてくれた。

大好きな人が。

大好きな比呂が。

大切な比呂が。


両思いって・・やっぱ奇跡だ。
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