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2008/6/26 (Thurs.) 22:28:35 『じゃなくてーって何?美味しいが理由じゃ駄目なの〜!』 『そうじゃねーよー。そうじゃねーんだけど美味しい物なら世の中に沢山あるだろー?』 『おいしいもの?そりゃいっぱいあるよ?』 『だろ?だから、そんな中でなんで病的にお前が魚を好きなのか、原因を知りたいの。』 『えー?!!』 俺の髪や頬を撫でながら、比呂が寝起きのボケた頭で俺に話しかけてくる。 半分寝ながら俺を見るなって。かわいいんだよ。たまんないよ。 今日は俺のほうが襲っちゃうぞ!寝起きで一重で声かすれてて この人俺の彼氏なんです。『・・人の話きいてんの?』 顔見てぼんやりしてたら、比呂がちょっと不機嫌な言い方する。 『聞いてるよ。でも、理由が思いつかないの!』 『・・・ふーん・・・。』 『・・・・・。』 ふーん・・だけかいっ! 俺は比呂の横に寝転がって、髪をいたずらして遊ぶ。 うっかりマツゲとかまぶたを触っちゃってたみたくて 『・・・・やめぃ』って、手をパシっと払われる。 でも懲りずに、また髪をいたずらして、小さな三つ編みとかするのね。 比呂は黙って俺を放っておいてくれる。 時々、『・・やーめーてー・・・・』って、すごく小さな声でいうけど、 くたーってベッドに身を沈めたまま。俺に好き勝手させてくれる。 クラスが違っちゃってから、なかなかね、こんな風なね どうでもいいようなことをさ、ゆっくりできる時間なかったね。 会えばいつもお互いなんか必死でさ。余裕があるような会話してても エッチにのめりこむわけじゃなくても、心の中で焦ってた。 今のうちに・・今のうちにって・・、必死に。 こんなふうにのんびりするのが、本当は俺らって感じだよね。 俺は比呂の髪で遊ぶのに飽きて、比呂に抱きついて、ぎゅーっと力を入れた。 目を閉じる。 うん。 安心する。 ここは俺の場所だ。 頬をぎゅーっと比呂の体に摺り寄せると、時が止まるような気分になんの。 時間がとまったらいいのになーと思う反面、それではいけないとわかる。 流れ続けているからこそ、俺らの時間にはよどみがないんだ。 絶えず新しい時間を俺たちの力で押し流していく。それはきっと誰もが。 俺たちを通過する前は無色透明で・・通り過ぎた後に色が決まる。 染めるのは俺たちだ。できるだけきれいな色がつけばいい。 『・・髪・・ちゃんと解けよー・・。こないだバイトで笑われただろー・・。』 ふてくされたような言い方の比呂の声。 『はいはい。』 俺は笑いながら髪を手で梳いてやる。 『そういえばこないだ、でかいほうの小沢がさー・・・。』目を閉じたまま話を始める比呂に また抱きつくと比呂は俺の肩を抱いて、頭を撫でながら話し続けるんだ。 俺は目を閉じたまま好きな人の声と鼓動をいっぺんに聞く。 あー・・・幸せだなあ〜・・・ |
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