どきどきどきどき


駄目だ・・。

何を着ていっていいのかすら、わからない。


明日の分も勉強したし、あとは着替えとか用意して、 めざましかけて寝るだけなんだけど・・。

飯もあんまノドに入らなくて、どんぶり二杯でごちそう様した。
歯だって滅茶苦茶磨いたし・・しょ・・勝負パンツだってばっちりだ。
でも、肝心の服が決まらない。 そんなに沢山持ってるわけじゃないのに・・・。

俺、今さりげなく気づいちゃったけど、これから付き合うってことは、
学校帰りとか以外でも、どこか行ったりすること多くなるってことだよね。

制服のままとか、部活じゃーじのままじゃ、いけないようなとこも行くんだよな・・。

あああああーーーーー。服とか買わねえと!そんだけじゃねえよ。
たとえばさあ・・・俺が今はいてる勝負パンツはさ、
キュートなキャラクターのトランクスなのね。そういうのも、そろそろあれか?
ブランド物の、びしっとしたやつにした方がいいの?
そそそそれと、香水とかした方がいいの?
あーーー!!忘れてた!手作り弁当とか作っていくべき?
マニキュアとかそういうのってどーすんの!!!

誰に聞けばいいのーーー!!

・・よし。比呂に聞こう。


ということで、きっと21時にバイトをあがったと思われる比呂に 携帯でメールをした。
<忙しくなかったら、話したい。>って送信したら、 すぐに電話がなったんだ。きゃ。

『もしもーし。』
『比呂?』
『そーだよー。俺も話したかったから電話したー。』
『ふふ。』
『どーしたー?』
『うん。あのさー・・』
『明日の服装とかどうすればいい?』
『・・・・え?それを俺に聞くの?』
『うん。どんな感じで行けばいい?』

沈黙。考えてくれてるみたいw

『・・・別にー・・好きなのでいいんじゃない?』
『デートなのに?』
『・・え・・・いいんじゃないの?遊園地だし、普通で。』
『・・比呂はどういうかっこしてく?』
『普通の・・バイト行くようなカッコだよ。』
『・・じゃあ、俺もそういうのでいい?』
『ちょっと待って?そんなの俺に確認しないで?お前!大丈夫?』
『だって、生涯初のおデートだもん』
『・・・なんか・・重い責任を感じ始めてる俺がいる・・・。』
『責任重大だよ!決められねえよー・・服ー。』
『じゃあこないだのパンツで来いよ。かわいいやつあんじゃん。あれ1枚で。』
『あほーーー!っていうかこないだのパンツっていつのパンツだよ!!!』

全くのんきなこといいやがって。 少しは親身に考えろ。

『どうしようかな・・。服ー。』
『だから何でもいいって。』
『だって・・。』
『あ、でも、あったかくしてきなよ。』
『え?』
『寒いから。とにかくあったかい格好。』
『ああ、そうだね・・うん。』
『あと、おばちゃんに、夕飯までいらねえって、ちゃんと言っときなよ。』
『・・・・ああ・・うん。』
『楽しみだね。明日。』

比呂はその言葉を、それはそれはうれしそうに言った


電話を切ってしばらくは、耳に残った比呂ののんびりとした話し方の余韻に浸って、
そしたらなんか、すげえほっとしたんだけど、でもやっぱ、なんかやっぱどきどきして・・

だけど早く比呂に会いたいから、 意地でも寝るよ。寝不足はよくないからね。

おやすみ!




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