Date 2007 ・ 02 ・ 07
『エビバデハロー!\(^∇^\) (/^∇^)/』
お見舞いに来てくれたー!
朝、小沢と電話してる時に、比呂がちょっと電話に出てくれて、
昼休みに電話するって言うから、俺どきどきして、寝れなくて、
はっ・・・と気がついたら、ちょっとの間爆睡していたらしく、
慌てて時計見たら14時半だった。
ガーン・・・・。
携帯見たら、着信が15分おきくらいに3回はいってて、最後にメールが1件入ってた。
<帰りにお見舞い行くねー。>・・・あとは色んな絵文字wかわいいw
比呂が絵文字入れてくれるなんて夢みたい。
寝過ごして約束の時間に電話にでれなかった俺の事、気づかってくれたんだなあ。
俺もう、ときめきハート全開。嬉しくってたまらない。
<うん!楽しみにしてるね!>って文字だけじゃ気持ちが収まらなくて、
絵文字を可能な限り詰め込んだ。これは俺の想いだよ!!
今日は短縮授業で、部活も休みでバイトも休み。
ゆっくりしていってくれるかな・・どうかな・・。
16時ごろ携帯が鳴って、比呂からだったから急いで出る。
『俺。どう調子〜。』気の抜けた声。俺はときめきすぎて死にそうだった。
『大丈夫。まだちょっと熱あるけど。』
『行ってもいい?大丈夫かな・・。』
『大丈夫。会いたいし・・。比呂が嫌じゃなかったらきて。』
比呂は照れたような笑い方のあと、
『じゃ、いくねー。あと5分くらいでつくから。』
といい、電話をきった。
周りには車の音がしてて、信号待ちのときに電話くれたのかな。
俺は、いそいで1階に下りて、顔を洗う。そんで二階に戻って、姉ちゃんの部屋に忍び込み、
髪につけるなんかいいにおいするやつを、しゅっとして、ついでに兄ちゃんの部屋に行き、
DSライトを(勝手に)借りて、部屋に戻って比呂を待った。
今日は家に誰もいない。なかなか忙しいわが家族でたすかる。
程なく玄関でピンポーンと鳴った。俺は急いで玄関に行き、ドアを開ける。
手にケーキとアイスを持った比呂が、俺の顔を見て笑ってくれた。
『おー・・顔真っ赤じゃん。死ぬなよ。はい。見舞い。』
手土産を俺に渡してくれた。
『ありがとう・・。コーヒーでも入れるよ。』俺はお見舞いを受け取って言った。
そしたら比呂が、あははって笑う。『いいよそんなの。お前病人だよ?』だって。
部屋に入って、アイスを食った。アイスは一個しか入ってなくて、
俺、一人で食べてもいいのかなあって悩んで、思わず比呂をみつめる。
視線に気がついた比呂が、『お前に買ってきたんだから食えよ。』
といってくれて、『工学のノートかしな。』という。今日の授業の分を書いてくれるんだって。
俺はそんな比呂の真横に座って、アイスを食べながら比呂の髪を触る。
『他の教科のはー、潤也に見せてもらって。あいつの方が頭いいし、字が綺麗。』
俺はにっこりと笑って、『うん』って即答したんだけど、比呂がちょっとした間のあとに
『それは、どういう意味での『うん』なの?』といって俺を見た。
えへへ。あいつの方が頭いいし・・・っていうのに対する『うん』だと思ってる?
それとも字が綺麗の方?俺は舌を出して、へへっと笑う。どっちに対してもだよw
比呂が、そんな俺を見て、ははっと笑った。
俺から視線を外しながら、『かわいこちゃーん・・。』といってノートに視線を戻す。そんで、ふふっと照れ笑い。
うれしいなあ・・。比呂が優しいや。アイスを食べ終わる頃、比呂がノートを写し終えた。
『丁寧に書いたつもりだけど、解読不能ならば、いつでも言って。』
そういって、机の上にノートを置き、
『・・・・幸村、寝ていいよ。寒いだろ。』
と俺に言う。
俺はいわれた通りに、布団にもぐりこむ。
すると、比呂は俺の枕元で頬杖をついて、俺にむかって、ぶーたれ顔をした。
『浮気なんてしてない。ほ・ん・と・にっ』
やば・・。話がはじまっちゃったー。俺は思わず布団で顔を隠す。
でも、それだと比呂が見えなくなっちゃうから、目だけ布団から出して比呂を見た。
『ごめんね。』
『・・・本気で謝ってんの?お前。』
『本気だよ・・・。本当にごめんね。』
『いいよ。別に・・。いいんだけど、でも謝るとかより理由教えてほしいんだよね。』
・・・・。
『幸村ー。』
『・・・。』
『あのさ。』
『うん・・。』
『ああいうことを言うのは別にいいんだけど・・言うなら一緒にいる時に言って?』
『・・・・。』
『いきなりメールで覚悟だ何だの言われても、わかんないよ。どんだけ深刻なのかとか・・。』
『・・・。』
『つか俺、昨日の朝までお前がそこまで悩んでるなんて、全然気付いてなかったし。』
『・・・。』
『だから・・ちょっとでも気になることがあったなら、すぐに言って。ちゃんと俺に。』
『・・うん・・。』
『聞くし、話すから。いつでも。』
『・・うん。』
沈黙。話はまだ続いた。
『・・・で、大体なんで、そんな保育士の人の事まで持ち出してヤキモチやいてんの?』
『・・坂口に・・・写真見せてもらって・・そしたらその人がかわいかったから。』
『・・・・。』
『俺じゃかなわないって・・思っちゃったんだ・・。』
沈黙。比呂が黙って俺の頭を撫でる。ドキッとして比呂の顔を見たら、
なんか、一生懸命考えてるから、俺、すごく不安になっちゃって
『・・言い訳考えてるの?』
なんて言っちゃった。あーー・・。俺のバカ。
でも比呂は怒らなかった。俺の失言に全然気がつかない感じで
『言い訳じゃねえよ。そうじゃなくてー。どう言えばいいか考えてるの。』
といった。全然普通に。そんで俺の顔を見て、困ったような顔をして、
『俺、日本語で喋ってるのに、お前に全然通じない時があるから。』
といった。
うん・・・。自覚はある。
比呂の言葉は通じてんの。いつも。でも不安だから俺・・
自分勝手に意味捻じ曲げて、勝手にへんてこな解釈しちゃうんだ。
比呂は俺の顔を見て、視線を外してまた考えて・・って
それ何回か繰り返したあと、俺にちゅっと口づけた。
わ・・・・。どきどきする。だけど比呂はまだ考えてるようで、
しばらく黙っていたんだけど、そのうちにぼそぼそ話を始めた。
『保育士の人のことは、別に本当になんも思ってない。それどころじゃなかったんだよ・・
あの地獄みたいな豆まきは・・・。だから、その話はこれで一旦終わり。まだ気になるなら後で聞いて。
で・・・俺が・・・お前にこの前・・何を言われて嫌だったのかって言うと・・・
全然俺の話をさ・・・・まともに取ってくれなかったからなんだ・・よ。』
『・・・・。』
『やっぱ俺だって、お前好きだし、誤解されんのは、嫌なんだよ。・・・っていうか、お前が言ってんのは憶測じゃん。
お前の言ってることの大概は憶測なわけじゃん。憶測を勝手に現実の事みたいに言われると俺も困るんだよ。』
『・・・。』
『・・・・。』
『・・・。』
比呂が俺の頬を撫でる。俺は比呂のその手を両手で包んで、頬ずりした。
比呂が叱ってくれる。俺と続いていくために・・叱ってくれる。
『まだ・・付き合って一ヶ月で・・俺だってどうしていいかわかんないし・・
告白してくれた方のお前は、やっぱ心配事も多いと思うんだ・・。
だけど・・俺は・・できたら・・・、あんまそういう考え方はしないでほしいなあって思う・・。
好きな子に・・自分が裏切るとこばっか・・想像されんのは悲しいよ。』
・・・・比呂・・・。
『俺がいつもお前を思い出す時なんか、いっつも顔がにやけるよ・・・別に変な想像してるわけじゃなくて・・』
『ふふ。』
『かわいいの。やっぱお前が。だから。わかる?そういうの。』
『うん。』
『確かにお前が俺を思い出しても、見た目も性格も俺ってこんなだから、トキメキを強要するつもりはねえけどさ。』
『はは。』
『だけどー・・やっぱ、信じてもらいたい・・・。』
『・・・。』
『お前の想像上の俺も・・・多少はお前の力になりたい・・よ。』
『・・・・。』
ゆっくりと・・・ほんとにゆっくりと・・・比呂は話す・・・。
俺は比呂の顔を見た。そしたら目が合って、比呂が笑ってくれた。
『大体俺、お前のこと、相当贔屓してるんだぜ?』
『えー?・・本当かな・・。』
『本当だよ。だって俺最近、お前にとび蹴りしてねえじゃん。』
『・・・。』
『ひざかっくんも、してねえし、消しゴム爆弾だってぶつけてないだろ?』
『そうだけど。』
『大事にしてるんだよー。お前のことは。』
『・・・・。』
『なにその目。』
『何で大事にしてくれるの?』
『・・・それは・・・・ユッキーがかわいいから・・。』
『何でかわいいって思ってくれるの?』
『そんなの・・・・好きだからに決まってんじゃん・・。』
わ・・。やった・・。比呂が照れて布団に顔を押し付ける。
『やめろー・・・その誘導尋問・・。』
比呂が、照れてる。わあ・・かわいいなあ。
布団にぱたっと顔をうずめてしまった比呂の髪に俺はキスをした。
そしたら比呂が顔を上げて、俺等はゆっくりと口づけをした。
すこしして、母親が帰ってきた。部屋をのぞいて、比呂に声をかけてくる。
『お見舞いに来てくれたの?ありがとう。』とかいって、礼を言ってる。
早く出てけっての。そしたら比呂が立ち上がって、母親にお辞儀した。
『や・・そんな・・。勝手に上がってすみません・・。じゃ、俺もう帰るよ。』
とかいって部屋を出て行こうとする。
えーーーーーー!!!
『もっとゆっくりしてってよ。』俺は半狂乱で比呂に言う。そんな息子の様子にびびりつつ、
『そうよ。夕飯たべていって。』と、母親も加勢してくれた。だけど比呂は笑っていったんだ。
『今日・・18時から、病院行くんだ。』
『『病院?』』親子2人、間抜け面で比呂にそういうと、比呂はすげえうれしそうな顔で
『おばちゃんの・・超音波検診みせてもらうんだ・・。だから・・。』って言った。
ちょっと前におばちゃんから検診に一緒に行こうと言われ、葛藤を繰り返していたらしい。
他人の自分がそんな診察に立ち会っていいのかと思ったからって。
その話をする比呂のことを、俺の母親がなんか優しげな顔で見ていて、
『じゃあ・・。お大事に。』って比呂が部屋を出ようとしたときに、
比呂のことをぎゅっと抱きしめたんだ。
比呂がびっくりしていた。つか・・俺も相当びっくりした。俺の母親はいう。
『紺野君も、お兄ちゃんなんだね・・。おめでとう。』
比呂は、それを聞いて、目にいっぱい涙をためて俺の母親に震える声で言った。
『・・どうもありがとうございます。』
*****
さっき比呂から電話があった。泣いているような声なのに、妙にテンションが高かった。
『うつったよ!謎の物体が!なんかね・・・なんか・・』
『・・・。』
『俺に似てる気がした!絶対俺似!!!』
あんまり何度もいうもんだから、比呂からの電話をきったあとに、PCで調べて、
妊娠2〜3ヶ月の超音波写真というものを見たら、人とかにもなってなくて、
ただのなんか・・豆?みたいなかんじで、これ見てあいつ『俺似!』とか言ってたんだーとおもったら、
妙に愛しくなって、ますます比呂を大好きになっちゃったよ。
Post at 23:58