『ただいま。』
昨夜、比呂の家に泊まって朝遅くまでグダグダ寝て
昼に商店街の定食屋で飯食って、そのあとは比呂はバイトで俺は塾だった。
比呂はまだ、バイトやってるな。確か20時まで。
3年になったら免許とるから、その金とか貯めときたいみたい。
比呂から直接聞いたんじゃなくって、秋山店長から聞いたんだけど
それ聞いたら、なんか俺も、金とかちゃんと貯めようと思った。
塾代だけでもバカにならないもんな。親には本当に感謝している。
・・昨夜、比呂が寝ちゃった後、俺、一人でグズグズないてて
そしたらさ、比呂の携帯に坂口から電話が来たんだ。
あまりに長く着メロが鳴るから、俺が変わりに出たんだけど
そしたら坂口、びっくりして『比呂は?』って・・ほんと、びっくりしてて。
『寝てる。爆睡しちゃってるんだよ。』
って俺が言ったら、すっごいほっとしたような声で
『またなんかヤバイことでもしたかとおもったよー。』
って・・。ああ、夏休みの入院のこといってるんだな。
『大丈夫だよ。何?』
『ああ、あのさ、浅井の件だけど、その後の予定どうする?とかおもって。』
『え?』
『荷造り手伝いとかー、見送りとか・・あとさ、花見とかどうしようかなって。』
『ああ・・。』
『どうしよう。3月末には引っ越しだよね。』
『そうだね・・計画するなら早めじゃないとね・・。』
『・・・。』
『・じゃあさ、今夜はもう起きそうにないから、明日にでも比呂に聞いておくよ。』
っていって、電話をきったんだけど・・・。
なんか俺、言いづらくて・・朝起きてもすぐに比呂に言えなくて
昼食いにいった定食屋で、やっとそれを打ち明けたんだけど、
そしたら比呂はあっさりと『そうだな。考えとく。』っていったんだ。
なんかね・・色々なことを考えるのが、面倒になったっていうか
そういう感情は全部ね・・後回しにしようって思ったみたい。
強いな。比呂は。
2007/03/21(水) 17:37:27