2006/8/17 (Thurs.) 23:33:33
今朝、比呂の家に早朝突撃し、バイトあとの、おデートをとりつけたナイスな俺!
比呂は10時からバイトがあって、俺は10時から塾があって、
昼食って14時ごろに店に顔を出したら、比呂がどこにも見当たらなかった。
秋山さんともう一人のバイトの子がせわしなく動いていて、俺はレジでも手伝おうかなって思ったんだけど、
レジ後ろのほうで比呂の声がするから、バックルームをのぞいたら、比呂が商品台帳とかを見ながら、どこかに電話をしていた。
『どしたの?』
俺が声をかけると、比呂が電話をしたままで、俺を手招きしたから近づいた。そしたらメモ用紙になんか書いている。
《今日16時納品予定の店、どこだか知らない?》
・・え?なんだっけ・・。ああ、確か盆中に電話注文されたやつだ。俺は台帳をのぞきこむ。
するとそこには、納品日時と商品名だけ書いてあって、肝心の納入先がかいていない。
そして。最悪なことに、その字は俺の文字だった。
電話を切る比呂。
『ごめんな。あのさ、これお前の字だよね。』
『うん。』
『これって誰に頼まれてかいた?』
『え・・と・・え・・と・・。』
俺は混乱して、どきどきして・・、まともに話もできなくなってた。やべえ・・大変だ・・。
たしかこれ、二件で20万とかの大口の納品なんだ。どうしよう・・
俺が書き忘れたから・・どうしよう・・。どうしよう・・・。
すると比呂が俺の頭を撫でた。『落ち着いて。幸村。まだ時間あるから。』
比呂はそういうと、もう一度俺にきく。『これ、誰に頼まれてかいた?』
『ハルカさん・・。』
俺がそういうと同時に比呂が携帯で誰かに電話をかける。
俺は自分の失敗が怖くなって、今にもぶっ倒れそうだった。
そしたら比呂が、手に持ってた携帯を肩と顔の間に挟んで、あいた右手で俺を抱き寄せた。
そんで、ゆっくり背中をさすってくれる。髪を撫でて、大丈夫だよと囁いてくれたんだ。
そうこうしてたら、ハルカさんが電話にでたらしい。
ミスした俺の変わりに比呂が事情を説明してくれた。
書き忘れてた納品先は、ハルカさんが覚えていたようで、
比呂が確認の電話を入れると、どうやら二件とも正解らしい。
無事に納品できたのを確認するまで2人でスタッフルームで待って、
秋山さんからの『大丈夫だったよ』コールを聞いた瞬間、俺は全身が震えてへたり込んだよ。
・・・・バイトだからって甘く見てた。俺は学生バイトだけど、ここはちゃんとした職場なんだ。
金や商品が動く世界・・・これからはもっとちゃんとしないと。
うろたえる俺を励ましながら、てきぱきと対応してくれた比呂に、俺は心から感謝をしたし
ますます比呂を大好きになった。