夢みたいな人

比呂の家に泊まりにきてます。うーわー。なんか、すっげたのしい。

バイト上がりに『泊まりにきな』って誘われて、んで
夕飯は俺は家で食って、風呂はいってから比呂の家に行った。
俺がいったとき、比呂は店の仕事を家のPCでやってたんだけど。

『忙しい』とかそういうことを、比呂は必要最低限の場面でしかいわないから
俺もそういうのには触れないようにする。
俺との時間を一生懸命つくってくれて、どうもありがとう。

俺、久々に、シチューでも作ってやろうかなって思って、
比呂んちに行くまでに時間あったから、こっそりつくってきたんだよね。
比呂は夕飯まだくってなかったみたいで、すごい喜んでくれた。
シチューは俺的には、あいかわらずの地味な味になっちゃったけど、
沢山おかわりしてくれて、『那央のシチューはうめーなー』って何度もいってくれた。

比呂がお風呂に入っている間、机の上においてあった比呂の携帯電話がきになってしまう。
いけない・・とおもいつつ、携帯チェックをしてしまったら、待ちうけが俺の笑顔だった。

ジーンときちゃったよ。もう。

風呂上りの比呂が俺に、アイスをもってきてくれた。そんで、自分は仕事を続ける。
俺、比呂の肩に自分の頭を預けて、アイスを食って仕事を見守った。
PC入力してるとき、比呂はメガネをかけていて、今日は黒縁だ。かわいいなあ。
俺がそばにいるから、煙草吸えないね。ごめんね。

俺がアイスを食い終わったら、比呂がまだ仕事途中なのにデータ保存して、
電源切って、俺にちゅってしてくれた。そのままベッドに倒れこんで、エッチした。
いつもよか、・・・ちょっぴりだけ乱暴だった気がする。

エッチ後、比呂に抱きついて、俺は比呂の話を聞いた。
比呂の話は、こいつが最近ハマってる『どうぶつの森』の話題で
どこで何がつれただの、ハニワを連続3体掘り起こしただの
蜂に刺されたから、明日は保険が入るだの・・ワケわかんねーんだけど、比呂が話すとおもしろいのね。
だから俺、ケラケラ笑ってきいてたんだー。

『ねえ、実際やって見せてよ。』
『は?今?』
『今。』
『こんなカッコで?』
『服着ればいいじゃん。』
『・・・・ああ、そうか。』
『うん。』
『お前も着るの?!』
『着るよ。』
『えー・・・。どうせまた脱ぐのに?!』
『なんで!!』

なんでもねーけどさーって・・・ウダウダいいながら服着てDSとって来る比呂。
俺の横に寝ころんで、どうぶつの森起動したら、キャラ名が『ゆきんこ』だった。
幸村のゆきと、紺野のこんで、ゆきこんにしようとおもったんだけど、
入力間違えで『ゆきんこ』なんだって。そっか〜。

『那央、みてみな。この魚影、細長いだろ?』
『うん。』
『これはうなぎ。お前好き?』
『大好き!。』
『よーし。じゃあ釣ってやる。みてろよ?』
『うん。』

覗き込んで息を飲む俺。そしたらほんとに、うなぎがつれた。
『あっは!ほんとだ!すげえ!』喜ぶ俺を見て比呂が笑う。
そんな比呂の笑顔が嬉しくて、俺がまた笑う。
『那央もやってみな? 』って、DS渡されたから、俺も一生懸命釣ったらフナだった。

『はたから見てるのと、実際やるのじゃやっぱ違うねー。』
『前にも何度かやったことあるよね。たしか。』
『うん。でもあの頃比呂は花を育てるのに夢中だったじゃん。』
『ああ。』
『だからじょうろもって、みずやりばっかやってたよ。』
『そうだっけ?あはは。花が沢山あると、蝶があつまってくるから』
『そっかー。』

そのあとも、ヤシが育って実がなったから、珍しい昆虫をとれるかも・・とか、
博物館に寄贈してる化石が、かなり形になってきてるとか・・・
なんか子供みてえな話を、ニコニコしながら話してくれる比呂。
俺はDSやりながら、すげえしあわせで、『いいなー、魚。水族館でもいきたいなー。』と比呂に言う。

そしたら比呂が、ちょっとかんがえたあと『明日、バイト休みだね。お前塾は? 』とかきいてくる。
『塾はないけど・・・。』って答えたら、『じゃ、明日水族館いくか!』って比呂が言った。まじで?!!

『久々に遠出しようか、ね。復活記念につれてってあげるよ。』『え・・でも・・悪いよ・・・』
『悪くない。行き先は俺が考えるね。』『うん!!』

うーわ・・・。なんか、これって夢?

実は俺等はまだ別れたままで、この幸せは夢なんじゃねえのかって思う。
ほんの少し別れたことで、改めて比呂が俺にとってどれほど理想的な男なのかわかった。
すぐに弱気になる俺を支え、優柔不断な俺の変わりにスパッと判断して引っ張ってくれる。
俺と付き合う前まで遊びまくってただけあって、エッチもちゅうも、すっごいうまい。

そして・・

一人で抱え込んでる心の闇みたいなものが、俺をどうしようもなくひきつけるんだ。


結局比呂は俺がDSやってるのを見ながら寝ちゃった。お疲れ様。どうもありがとう。

明日もいっぱい、笑ってね。




2007/06/10(日) 02:07:43
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